安保法案反対デモで上京した“ブサヨ”主婦が抱える貧困と不安 (1/3ページ)
「安保法案は欠陥法案ですよ! だってそうでしょう? 自衛官は海外の戦場に派遣されるという契約で入隊しません。それを海外に派遣するなんて民間企業なら労働協約に反する行為です。絶対に許せません」
国会前や都内繁華街周辺で行なわれている安保法案反対のデモに、地元・大阪から駆けつけたパート主婦・Tさん(44歳)は安倍政権が推し進める“右傾化”した政策に深い憤りを覚えると言う。
大阪から東京まで、片道3200円の深夜バスに乗ってやって来るというTさんだが、安保反対デモに参加する“普通の主婦”はどういった人たちなのか。筆者は何人かの女性をつかまえて、話を聞いた。
ネトウヨからフルボッコにされる日々
Tさんは経済的事情から大学への進学を断念。高校を卒業後、大阪市内の信用金庫に入職した。当時、初任給は約15万円だったという。世はバブル景気の時代、好景気といわれていたがその実感はなかった。
「その頃、流行していたラルフローレンのスウェットひとつ買うにも財布の中身を気にしなければいけませんでした。1万円ちょっとだったと思います。でも20年前、私のお小遣いは1か月2万円です。お財布状況は厳しいですよね」(Tさん)
働けど働けど楽にならない生活で見出したのが労働組合での活動だった。そこには自分と同じような疑問を持つ仲間がいる。それが心地良かった。
「資本主義社会だと稼ぐ力がある人はいいでしょう。でも、そうではない人も世の中にはいます。今、パートで1日働いても8000円にもなりません。これこそ安倍政権、橋下市政の“圧政”ですよ」(同)