実写版『進撃の巨人』後篇が意外と悪くない…前編に伏線が (1/2ページ)

デイリーニュースオンライン

映画『進撃の巨人』公式サイトより
映画『進撃の巨人』公式サイトより

 実写版「進撃の巨人」後篇を見に行きました。

 前篇がアレだったものですから、後篇はどんな大惨事かと覚悟を決めて見に行ったのですが……。あれぇー、意外と良かったです。(以下ネタバレあり)

 前篇の最大のネックは「人類の命運を賭けて一大作戦に挑む調査兵団がバカすぎる」ことでした。周囲を巨人が徘徊する超危険地帯での作業中に、作業するでもなく、見張りに付くでもなく、暗がりでいんぐりもんぐりを始めるバカ兵士どもには愕然としてしまったものです。

前編の最大のネックが伏線に

 しかし、以前の記事で僕は、ややリップサービス気味に、「登場人物のバカさも含めて後半の伏線という可能性は残されている」と書きました。しかし、驚いたことに、これが本当に伏線(?)だったのです。政府の狙いは作戦を成功させて人類を救出することではなく、「勇気ある連中を無駄死にさせて、羊のような国民だけを残す」ことでした。

 そう言われると、なるほど納得です。勇気があっても練度が低ければバカ集団になるのは自明の理で、バカがバカなことをして窮地に陥るのも自然の摂理。全部政府の思惑通りだったんですね……。前篇で一番のネックだったこの問題が解消されたので、映画全体に対するイメージが大分変わりました。まあ、それにしても前篇のバカ描写も、もう少し描きようがあったと思うんですが……。バカにも色々種類があると思うんですが、組織として未熟だとか情熱が先走って混乱を招き……とかではなくて、単純にIQが低かったので……。

 というか、そもそも主人公たちは歴戦の兵である調査兵団などではなく、壁を修復するための寄せ集めの作業員なんですよね。なので練度が低いのも仕方ないのですが、彼らに調査兵団のエンブレムを背負わせてしまったのも問題かと。そのため原作の調査兵団のイメージで彼らを見てしまい、「調査兵団なのにバカすぎる」と思われてしまったのもあるでしょう。後篇では「本物の」調査兵団が登場するため、この誤解も解消されます。エレンたちが作業員という設定では売れない、という事情も分かりますが、かといって調査兵団のコスプレをさせるのは意味が分からないし、混乱の元でした。

 また、前篇では違和感のあったハンジさん、シキシマさんの変なキャラクターも後篇で一本筋が通った感じがあります。ハンジさんは一般的には概ね受け入れられていたようですが、僕的にはあまりにバカすぎてちょっとダメでした。しかし、後篇ではハンジさんのバカが一段と加速したことで一周回ってアリとなった。アサルトライフルの銃口を向けられているのに、「うわー! 大戦前の銃だー!! スゴイー!」と飛び付く描写のバカさは、一線を突破して爽快感が出ていました。ライフルを構えてた兵士たちも、「えー、この人なにー??」みたいな感じで呆然としてたもん。

 シキシマさんも前篇では異様に芝居がかったおかしい人だったのですが、後篇に入って、破滅思想(エリート主義?)を振りかざす反政府テロリストだと判明し、「ああ、このくらいおかしなことを考える人なら、そりゃ普段からおかしいよな」とすごく納得できました。原作のリヴァイのイメージで、職務においては頼れる実力者、みたいに思ってたから、そのミスマッチでおかしな人に見えてしまったわけで、やばいテロリストなら全然納得できます。

 壁を全て破壊して現行制度を転覆させようとするシキシマさんですが、僕は彼が何をしたいのか良く分かりませんでした。破壊して、その後どうすんの?? ただ、映画の最後で、あの国が実験中の箱庭であることが示されたので、「実験装置自体を破壊して観測者の意図に逆らう」という意味だと理解することにしました(この解釈もやや怪しいけど)。でも、それならそれで、事情をちゃんと説明しないと、そりゃエレンたちは納得しないですよね。あの人、なんであれでエレンたちを説得できると思ってたんだろう……。

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