【プロ野球】スポーツ紙で乱れ飛ぶ"監督人事"の楽しみ方

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 ついにスポーツ新聞の本領発揮のシーズンがやってきた。各球団の監督人事やら、ドラフト会議やら、トレード&FA戦略やら、これからしばらく情報が咲き乱れる時期なのである。「当たるも八卦当たらぬも八卦」という言葉があるが、スポーツ紙やタブロイド紙に躍る情報をもとに、その日を妄想と想像で過ごしてみる楽しさをおススメしたい。

 まず朝刊のスポーツ紙で基本的な話題をチェックする(これは芸能情報も同じ)。そして夕方に発売される東スポ、日刊ゲンダイ、夕刊フジなどの夕刊紙やタブロイド紙で深掘りするのである。私はこの工程をオヤジジャーナル堪能コースと呼んでいる。例をあげると、中畑清の横浜監督辞任報道は10月2日に一斉に朝刊スポーツ紙で報じられた。夕方にはさっそく「辞任申し入れの真相」(東スポ)、「中畑辞任の真相」(日刊ゲンダイ)という記事が出た。

 共通するのが「指揮官は(コーチなど)希望する人材の獲得を球団に求めていたが折り合わなかった」(東スポ)、「コーチ人事の刷新を求めたが、受け入れられなかった」(日刊ゲンダイ)という内容だった。たぶん、ここら辺がひとつの肝なのだろうが、もう一方で注意して読むべきは「この情報を流しているのは誰なのか」という点である。中畑周辺なのか、球団周辺なのか。それによって意味も異なる。行間をめぐる受け手のたしなみ。

 東スポは中畑記事の隣に「ラミ契約解除」という記事を並べていた。オリックスが、巡回アドバイザーを務めるラミレス氏との契約を更新しない方向となっているという内容。「DeNA監督問題の推移見守る?」という一文も。さてどうなる。

「原監督の進退」でも微妙に見立てが異なる各紙

 先週、大きな話題になった記事が「原監督 V逸なら解任も」という日刊スポーツの一面だった(9月26日)。「2年契約の最終年、球団から正式な続投要請がない」「後任候補には江川氏」とあった。かなり衝撃的な内容である。しかし「解任」という言葉の強さも気になった。そこに言及したのは9月29日付けの日刊ゲンダイだ。

《原監督とつながりが深いスポーツ紙が気持ちを代弁したともっぱら。『解任』とは穏やかじゃない。契約が切れる原監督には当てはまらない言葉。原監督がマスコミを使って続投要請を催促したようなものだ、と受け取っている人がほとんど。》という「球界関係者」の解説を載せた。

 一方、「週刊新潮」(10月8日号)は日刊スポーツの記事について別のスポーツ紙記者の見方を載せた。

《あそこにはスポーツ報知出身で、原さんと昵懇の記者がいる。そこが『解任』と書いたということは確度は高い。》

 書き手の背景についてはゲンダイも新潮も一致するも、最後の見立ては微妙に異なるのが面白い。スポーツ紙やタブロイド紙は情報が乱れ飛ぶので半信半疑を楽しみ、「この記事が本当だとしたら」という前提でファンはワクワクドキドキすればよい。もしかしたらそこに真実の宝も眠っているかもしれない。

 今後、オヤジジャーナルを楽しむうえで、ひとりのキーマンが中日のGM「落合博満」である。いま盛んにオヤジジャーナルでは中日の内紛が書きたてられ、「落合一派が中日を出て行くのでは?」という憶測が飛んでいるのだ。信じるか信じないかは読み手次第。と思ったら、さっそく昨日(土曜)にこんな見出しがあった。

「仰天!DeNA中畑監督の後任候補に落合と原の名前」(日刊ゲンダイ10月5日付)。

 嘘つけよ、と言う前にその記事をまず楽しんでみる。にぎやかな季節がやってきた。

著者プロフィール

putikashima

お笑い芸人(オフィス北野所属)

プチ鹿島

時事ネタと見立てを得意とするお笑い芸人。「東京ポッド許可局」、「荒川強啓ディ・キャッチ!」(ともにTBSラジオ)、「キックス」(YBSラジオ)、「午後まり」(NHKラジオ第一)出演中。近著に「教養としてのプロレス」(双葉新書)。

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