【中国】反日活動が再燃…大閲兵式で加速するファシズム化 (1/2ページ)

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軍事パレードの深刻な影響とは!?(C)孫向文/大洋図書
軍事パレードの深刻な影響とは!?(C)孫向文/大洋図書

 こんにちは、中国人漫画家の孫向文です。今年9月3日、中国の北京で抗日戦争勝利70周年を記念して、「大閲兵式」と呼ばれる大規模な軍事パレードが開催され、1カ月あまりの月日が経ちました。この日以降、中国における国民の意識に大きな変化が生じているので、今回はそれについて書きたいと思います。

 この閲兵式の前から、中国においては、連日、テレビ番組を始めとするマスコミにおいて、軍事の特集が組まれました。そのため、大陸弾道能力があるミサイル「東風41」、空母に搭載可能な戦闘機「殲15」など、人民解放軍の所有する兵器に対し、多くの中国国民が軍事マニア並みの知識を持つに至りました。

 そして今回の大閲兵式は国民に「強い中国」を印象付けるという目的がありました。行進する軍隊や兵器群は諸外国に脅威を与えるのに充分で、一般の中国人ですら、これはやりすぎなのではないかと思ったほどです。中国在住の母親から僕に対し、「中国人という理由で、日本で批判されていないか?」と心配そうな連絡がありました。

国内の意見は真っ二つに

 こうした国力の強大さを誇示して国民たちの支持を得ようとする前時代的なやり方に対して、国内では意見が二分されました。まずは、それを揶揄する「真っ当な感覚を持つ中国人」たちです。インターネット上には「時代遅れ」、「独裁国家そのもの」などといった書き込みが行われ、動画サイトには大学生によって作成された、赤いパンツを中国国旗に見立てて敬礼するという愛国活動を皮肉った画像が投稿されました。

 その一方で、閲兵式に感化され愛国心を高揚させた中国国民もまた多く存在していたのです。式の前日から、中国国内のインターネット上のBBSやSNSでは、自分のアイコンを顔写真などから中国国旗に変更する人が続出しました。

 当初、僕は、これはBBSやSNSの管理者が行っているのかと思っていたのですが、どうやらそういうわけではなく、ネット上で「中国国旗に変更しよう!」という呼びかけが行われた結果のようです。

 また当日、国内では大閲兵式に出席した習近平国家主席を真似たイベントも行われました。河北省の大学においては、乗用車に乗り演説を行う習主席を校長先生が演じ、周囲の生徒たちが歓声を送るという疑似体験が行われました。これは茶化しているわけではなく、大真面目に祝っていたようです。

 そして中国では9月下旬ごろに中秋の名月を鑑賞しながら月餅を食べる「中秋節」という伝統の行事がありますが、その際に販売されたお菓子に「中国共産党に従え!」という意味合いの文字が刻み込まれるなど、愛国思想は伝統行事にさえ浸透しました。

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