話題の馳文科相はプロレスラー枠か?それとも…|プチ鹿島コラム

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話題の馳文科相はプロレスラー枠か?それとも…|プチ鹿島コラム

 第3次安倍改造内閣の布陣が発表されて以降、オヤジジャーナルでは新大臣の身辺記事があふれている。目立つのは馳浩文科相についての報道だ。元プロレスラーという経歴が注目されているが、私は馳浩は「プロレスラー枠」では見ないほうがいいと主張している。それよりむしろ、永田町に伝統的な「したたか枠」ではないかと。

昔からその方面の資質がありそうにみえた馳文科相

 その使い勝手の良さや立ち回りのよさなどはレスラー時代そのままだが、馳の特徴は同郷の森喜朗にスカウトされ、昔懐かしい「雑巾がけ」をして着々と歩んできたこと。よくもわるくも「プロ政治家」なのだ。そのあたりのことは以前にコラムを書いた。馳浩が文部科学大臣に就任した日、3カ月前に書いたこのコラムがまた注目された。

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 さて。私は、政治家は「いい人」よりも「いやな奴」のほうが合うと考える。タフさとしたたかさが必要な世界なら「鼻につくほど立ち回りが巧い」人のほうが合うはずだ。昔から馳にはその資質がありそうにみえた(注・政治家向きだと感心しているのです)。だから馳を記事にする際は「レスラー出身」より「伝統的な政治家」という点に注目したほうがよい。

「週刊文春」(10月22日号)はその点をついてきた。『馳浩文科相 本誌だけが掴んだ献金疑惑』という記事。馳浩が国内トップシェアを誇る金沢市の企業から献金を受けていたのだが、その企業は「国から補助金を受けていたのでは?」という文春の記事。そのあと馳は「国ではなく県の補助金だった」と説明し「誤解を招かないように」と全額返金した。

 私がここで思ったのは、ふつうのタレント議員だったら、こんなトップ企業からはなかなか献金してもらえないだろうなということ。地元にがっちり食い込んでいる。文春はレスラー・馳より政治家・馳のキャラに注目したのだ。一方、同じ日に出た「週刊新潮」も馳のことを書いていた。しかし新潮は1993年におこなわれた東京プリンスホテルでの「プロレス観戦ディナー」の写真を載せて馳を論じていた。

《3万円の大枚叩いて馳せ参じた700人の好事家を前に、パンツ一丁で(って別にそれでいいのですが)技をアピール。》

《「敵の両足抱えて10回転。ただし自分も目を回して満座爆笑」というお約束のヤツで、ロープに乗っては自身の汗を吸ったタオルを客に投げて喜ばせるなど、フルコースメニュー》

《パンツ姿で人々を沸かせ》

 最後は《自らの行く末を予想だにしなかったことでしょう。》と書く。あくまで「元プロレスラー馳」にこだわり、揶揄していた。オヤジ目線だからこそ発揮する、新潮の逆張り・イヤミ路線はハッとさせる切り口も多いですが、今回ばかりはありきたりのオヤジ野次で終わってしまった気がする。馳大臣の記事に関しては文春の勝ちだろう。

 そうそう、パンツといえば文春も新潮も話題にしてた、「パンツ泥棒」疑惑の復興大臣の今後が気になります。

著者プロフィール

putikashima

お笑い芸人(オフィス北野所属)

プチ鹿島

時事ネタと見立てを得意とするお笑い芸人。「東京ポッド許可局」、「荒川強啓ディ・キャッチ!」(ともにTBSラジオ)、「キックス」(YBSラジオ)、「午後まり」(NHKラジオ第一)出演中。近著に「教養としてのプロレス」(双葉新書)。

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