日本は中国の一部!? 意外と外国人に知られていない日本

デイリーニュースオンライン

日本を中国の1省と認識する外国人もいるとか…
日本を中国の1省と認識する外国人もいるとか…

 先日、自身が連載中のメルマガの企画で、ケント・ギルバート氏と対談させていただく機会を頂戴した。ケント氏は母国アメリカで香港に行く機会がある話をしたら、「東京から電車でどれくらいかかるの?」と言われたという(笑)。どうやら日本と香港は陸続きと思われていたようだ。

 実はこれ一見笑い話のようで、ある現実の一端を示している。日本人は非常に海外に対する意識が高いため、つい海外からも相応の理解が得られているような錯覚を覚えてしまいがちになるのだが、実際はそれほどでもない。もちろん、以前よりは、多少の関心の高まりは見せている部分もあるかもしれないが、多くは東アジアの一国程度の認識しか持たれていない。いや、一国と認識されているならまだしも、以前、オーストラリアに住む友人が、日本を中国の一省だと思っている人もいると耳にしたこともあるから、正直なところ、東アジア一帯がどの程度、理解されているかはよくわからない。

 実際、お隣、韓国をみても、「Korea」と聞けば、「北朝鮮」を想起する外国人が多く、これは結果的に「北朝鮮の核問題」がニュースとして話題に上がることが多かった結果に過ぎない。もちろん、サムソンやヒュンダイはそれなりに知られたブランドではあるが、逆にそこは日本のメーカーと思う人も多く、韓国の直接的理解には及んでいない。要するに、何かしらの極端な話題が提供されなければ、実は日本といってもそれほどの耳目を集めるには然程至っていないということだ。

 試しに、周囲の方々にアフリカ諸国に関する質問をしてみるといいだろう。そこの大統領や首相の名前を挙げることの出来る人が果たしてどの程度いるだろうか。多分、ほとんどの方は何も答えられないだろう。これは決して極端な例ではなく、恐らく、日本の理解も同程度とみていたほうが現実的ではないかと思うのだ。

 確かに、日本に対する理解や関心は高まってはいるかもしれないが、それはあくまで限定的な話であって、一般の方たちにとっては、遠い異国の地そのもの過ぎない。少し前までは、あのトヨタやソニーでさえ、日本の会社と聞いて驚く方も多かったというから、これは決して誇張でも何でもない。

 だから、以前、ニューヨークの和食店の9割以上が韓国人経営という話をしたことがあると思うが、私たち日本人からすれば全然違うハズなのに・・・と思いながらも、その感覚が伝わらないのは、その根底にある理解と関心が想像以上に低いからだろう。インド・カレー屋と聞いて、それが実際にインド人なのか、ネパール人なのか、あまり気にも留めないのと同様とも言える。

 対して、近年、実際に日本に対する興味・関心が非常に高まっている国もある。それがベトナムである。電通が実施したジャパンブランド調査によれば、日本に対する好感度の高さは、2年連続でベトナムが1位を占めているという。2位は、一昨年の5位から大幅にジャンプ・アップした台湾で、フィリピンやタイとも非常に友好な関係を築いている。そういう意味では、東南アジアはやはり日本にとって重要な場所だというのは分かるが、やはり、興味・関心の比重は、往々にして距離に比例するというのは何となく分かる話だと思う。

 そう思うと、改めて思うが、やはり、日本が重視するべき地域はこれら東南アジア諸国にあって、欧米諸国に対しては、もう少し積極的、かつ具体的に広報していく必要があるのではないだろうか。東京オリンピックはそのまたとない機会となる。

著者プロフィール

toujyou

一般社団法人国際教養振興協会代表理事/神社ライター

東條英利

日本人の教養力の向上と国際教養人の創出をビジョンに掲げ、一般社団法人国際教養振興協会を設立。「教養」に関するメディアの構築や教育事業、国際交流事業を行う。著書に『日本人の証明』『神社ツーリズム』がある。

公式サイト/東條英利 公式サイト

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