【出版業界】意外に多い連載・出版中止…作家が路頭に迷うワケ (4/4ページ)

デイリーニュースオンライン

まとめ

 本当は契約書を交わして、出版or連載されなかった場合にも作業費を出してもらえるようにするのがベストなのですが、契約書を交わさない慣行が長年続いてきたので、それも実際容易では無いんですよね。「契約書を作ってくれ」と言い続けたのに先延ばしにされて、結局、作業はしたのに出版されなかった、というケースも聞いたことがあります。相手が単に怠惰だった、狡猾だった、というだけでなく、先例がないので契約書一つ事前に作るのも大変なんだと思います。

 というわけで、現にこういうトラブルは多発しているし、現状の改善は簡単には望めないので、作家側としてもWeb掲載なりクラウドファンディングなりKindleなりで、ボツになった原稿を自力でカネに変えていく手段を確立するのが大事ではないかなと思います。

 それに、いざとなったら出版社に頼らず自力でカネが作れるとなると、出版社側の事情に振り回されても困らなくなり、精神衛生上も大変よろしいです。自力で十分にカネを作るのはまだまだ難しい現状ですが、ボツ原稿をハードディスクの肥やしにするよりはマシだと思いますので、同じ状況で困っている作家さんはぜひご一考を。この風潮が進んで、出版社と作家の力関係がイーブンくらいにまでなると良いんですけどねー。

著者プロフィール

作家

架神恭介

広島県出身。早稲田大学第一文学部卒業。『戦闘破壊学園ダンゲロス』で第3回講談社BOX新人賞を受賞し、小説家デビュー。漫画原作や動画制作、パンクロックなど多岐に活動。近著に『ダンゲロス1969』(Kindle)

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