榎木孝明もハマった「不食」に医学界も警鐘「科学的根拠ない」 (4/4ページ)

デイリーニュースオンライン

怪しいセミナーの影も…不食ブームの危険性

 懐疑的な声が上がっても、榎木をはじめとした「不食本」は増加。不食ブームといってもよく、食べ物どころか水すらも摂取せずに大気中の「気(プラーナ)」を食べて生きているという弁護士で医学博士の秋山佳胤氏らが一部で人気となっている。だが、秋山氏が日本学術会議で「荒唐無稽」と公式に否定された代替医療・ホメオパシーの療法家であるなど、どこか危うげなイメージがぬぐえない。

 彼らに大きな影響を与えたのがオーストラリアの美人不食者・ジャスムヒーン氏。世界的に支持者の多い彼女はプラーナを食べて生きているというが、普段からコーヒーやスイーツなども摂取していることを明かしている。あくまで「社交の手段」として1日に300キロカロリー程度だというが、本当にどのくらい食事をしているのかは確かめようがない。

 また、彼女は不食のためのセミナーやワークショップを長年にわたって開いているが、公的に功績が認められたことはなく、唯一の成果はトンデモ研究に与えられる「イグノーベル賞」を獲得したくらいだ。

 それ以上に気になるのは彼らが「幸せレベルを上げる方法」「飢えの本質は愛の欠乏感」などといった、いかにもスピリチュアルで耳障りのいい言葉を多用する点。怪しげな宗教やセミナーに結びつきかねない印象があり、実際に榎木は数年前に「人生の悩みが消えて自分や周りの人の病気も快復する」というスピリチュアルセミナーに出席している。

 もちろん世のすべてを科学で解明することはできず、不食者を完全に否定することはできない。カスミを食べて生きていたという不食者の元祖「仙人」が過去に実在した可能性もある。

 だが、どこかキナ臭さが漂ってしまう不食ブーム。健康や命にかかわることだけに、少なくとも安易に手を出さないほうがいいのは間違いないだろう。

佐藤勇馬(さとうゆうま)
個人ニュースサイト運営中の2004年ごろに商業誌にライターとしてスカウトされて以来、ネットや携帯電話の問題を中心に芸能、事件、サブカル、マンガ、プロレス、カルト宗教など幅広い分野で記事を執筆中。歌舞伎町や新大久保をホームグラウンドに飲み歩くのが唯一の楽しみ
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