ふなっしーの偽グッズ販売業者摘発に”地元”千葉県警が動いたワケ

デイリーニュースオンライン

今年8月頃から話題になっていたふなっしーの偽グッズサイト。
今年8月頃から話題になっていたふなっしーの偽グッズサイト。

 千葉県船橋市のご当地キャラクター「ふなっしー」を連想させる商品を販売したとして、千葉県警は8日、不正競争防止法違反容疑(混同惹起)で、東京都豊島区の通信販売会社Rの男性社長S(33)と同男性従業員(34)を書類送検した。テレビやイベントで活躍する人気絶頂の“ゆるキャラ”を襲った、この事件の報道されないウラ側を追った。

ファンの間でも話題だった謎のパクリ商品

 同法人と二人の直接の容疑は今年の夏頃から、ふなっしーグッズの正規販売サイトで無許可の偽グッズを販売していたことだった。

「再三警告を受けていたにも関わらず、Sらは『FUNA』や『274』の文字を巧妙にデザインしたマグカップやスマホケース、Tシャツなどの偽グッズの販売を続けていました。なかには、ふなっしーそのもののデザインに目の部分だけを空白にした商品などもあり、『これはオリジナルデザイン』などと強弁していたとも。夏頃からふなっしーファンの間では疑問の声が上がり始め、2ちゃんねるの『ふなっしースレ』などで偽物業者として話題になっていました。ネット上でそれを指摘されると、自社のTwitterアカウントで名誉棄損で訴えるなどと凄んだこともあったようです」(スポーツ紙記者)

 正規グッズを販売する権利を得た上で、偽物グッズを混入して販売するという大胆な手口だった。池袋の高層マンションに住む容疑者らは、ただの販売業者にもかかわらず、ふなっしーと関係があると吹聴していたともいわれている。

「ふなっしーの知名度を利用した様々なビジネスを考えていたようで、そのひとつに“ふなっしー”関連会社としてのR社の売却もあったようです。とはいえ、この事件が奇妙なのは、ただのパチモン業者が“ふなっしー関連会社”としてしばらくの間まかり通ってしまったという事実。周辺関係や背後を洗っているマスコミも一様に驚きの声を上げている。今後、新たな事実が浮かび上がるかもしれません」(前出・記者)

この摘発に千葉県警が動いたワケ

 今回の摘発には別の事情も働いていたようだ。書類送検された通信販売会社Rは東京都内の所在だが、捜査に動いていたのは警視庁ではなく千葉県警だった。それはなぜか? ある捜査関係者が匿名で語る。

「ふなっしーは昨年から地元の千葉県警で“警察官募集活動応援大使”に就任するなど、様々なイベントにボランティアで参加してきた。その結果、警察官の採用試験を大いにアピールしたとして感謝状を受けるなど地元警察との関係は良好だった。今回はそんなふなっしーの窮地を察して千葉県警が面子をかけ、関係者の通報を受け独自に立ち上がった格好だ。ふなっしーは警察の協力者だけに見逃されることはなかった」

 今回の事件はファンの声が反映された部分も多い。ふなっしーは大手の芸能事務所には所属しない個人マネジメントだが、それだけに甘く見られている面があるという。しかし、それは大きな間違いで、管理能力はかなり高いとの声も。

「容疑のかかった販売サイトFは現在、メンテナンス中として購入できない状態になっているが、容疑者らは捜査が入っても反省する素振りもなく、飲み歩く姿など派手な生活ぶりが目撃されています。しかし、これで夏から続いていた“パチモン騒動”が一件落着した形でファンはほっとしています」(前出・記者)

 今回のふなっしーの一件は、海外へ日本産キャラクターが進出していくために、まず日本での権利を守るという意味でも見過ごせないものだったといえるだろう。警察を味方に付けるなど、まさに”妖精”の面目躍如である。

取材・文/阿蘭澄史

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