【プロ野球】来季は前途多難!? 巨人・高橋監督では”優勝できない”ワケ

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2016年、巨人はどうなるのか(写真はイメージです)
2016年、巨人はどうなるのか(写真はイメージです)

 巨人・高橋由伸、阪神・金本知憲、DeNA・ラミレス、楽天・梨田昌孝、オリックス・福良淳一と5人の新監督が誕生した。

 このうち高橋由伸は「現役引退→即就任」と、恩師・長嶋茂雄と同じ道を歩むこととなったが、これは近年では珍しいパターンだろう。

 長い球史において、即就任となった監督は以下の7人しかいない(勝敗・順位は就任初年度の結果)。

●坪内道典(中日・38歳)───75勝43敗2分 3位
●藤田宗一(国鉄・40歳)───55勝73敗2分 5位
●杉下 茂(中日・34歳)───64勝61敗2分 2位
●稲尾和久(西鉄・33歳)───43勝78敗9分 最下位
●長嶋茂雄(巨人・39歳)───47勝76敗7分 最下位
●広瀬叔功(南海・42歳)───42勝77敗11分 最下位
●有藤道世(ロッテ・41歳)──51勝65敗14分 5位

 有藤監督が引退後即座にロッテを率いたのが1987年のことだから、今回のケースは実に28年ぶりの監督就任劇となったが、以上の通り、優勝はおろかAクラスさえ難しいのが「引退即監督」である。

 引退する名選手の多くが「外から野球を勉強する」と常套句のようにコメントするが、そうした「視野の広がり」を持たずして監督になるのは、プロ野球監督として失敗しがちなパターンなのだ。

監督・コーチ・現役…スター性以外の「3つの実績」

「投手陣は杉内俊哉・内海哲也の“左の二枚看板”が機能しなくなり、打線も主砲・阿部慎之助の衰えが顕著な上、コロコロ代わる日替わり打線。間違いなく下降期にあるチームを引き受けた。だが、長嶋さんもそうだった(監督初年度は巨人の歴史上唯一の最下位)ように、初年度は散々な成績に終わると思うよ」とはある巨人OBの弁。数年後はともかく来季の巨人は不安だらけだ。

 長嶋茂雄、王貞治、原辰徳など「巨人一筋のスター選手」が監督就任の不文律であるジャイアンツらしく、高橋は正しく「スター性」で監督になった。

 阪神・金本監督とDeNA・ラミレス監督は「現役実績」が買われたパターン。出身としては外様だが、ともに2000本安打の達成者であり、現役ラストイヤーを過ごした古巣での就任、という点も一致している。両者とも指揮官能力は未知数だが、果たしてどのような指導力をみせてくれるだろうか。

「監督実績」を買われて3回目の指揮官就任となったのが楽天の梨田新監督。野村克也、森祇晶などの名将と同じく捕手出身監督であり、近鉄時代は打撃力、日本ハム時代は投手力と、戦力面の長所を十分に活かしながら、両球団とも2年目に優勝に導いてきた。

「名コーチ」から監督となったのがオリックスの福良淳一監督。2005~2012年の8年に渡り日本ハムのコーチを務めてきたが、この間、球団は4度も美酒を味わっている。辛口なOBでさえ「いいコーチ」「野球をよく知っている」と評されており、「最高の参謀」との呼び声が高い。コーチとして西本幸雄氏を支え、後に自身も名監督となった上田利治氏のような成功も夢ではない。

 以上、今季の新監督は「スター性」「現役実績」「監督実績」「コーチ実績」のいずれかを称えられ監督就任とあいなった。他球団をみても、現役実績を重視されたのがソフトバンクの工藤公康と中日の谷繁元信、コーチ実績はヤクルト真中満だろう。

 これ以外に「鶴の一声」(オーナーの決定)というパターンもある。日本ハムの栗山監督や、2014年楽、天を率いた大久保監督などがあてはまる。前者は初年度に結果を出して長期政権を歩み、後者は最下位に終わり1年で職を解かれた。

「結果がすべてのプロ野球」はもちろん監督にもあてはまるが、やはり苦労を積んだ後、早いうちに好成績を残すと、政権は長持ちするようだ。

小川隆行(おがわたかゆき)
編集者&ライター。『プロ野球 タブーの真相』(宝島社刊)シリーズなど、これまでプロ野球関連のムックを50冊以上手がけている。数多くのプロ野球選手、元選手と交流がある
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