Amazonお坊さん便に中止要請…“お布施の明朗化”が猛反対されるワケ (1/3ページ)

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Amazonお坊さん便に中止要請…“お布施の明朗化”が猛反対されるワケ

 ネット通販最大手「Amazon」で法事・法要で読経する僧侶を手配するサービス「お坊さん便」が始まったが、これに仏教団体が「宗教をビジネス化している」などと猛抗議したことが物議を醸している。

 仏教の伝統を考えると反発も致し方ない部分があるが、ネット上では「お坊さん便」を支持する声が続出。仏教団体を批判するコメントが次々と書き込まれる事態になった。さらに仏教界の反発の裏側にカネの問題があるとの生臭い情報も噴出している。

「お布施はサービスの対価ではない」と猛反発

「お坊さん便」は株式会社みんれびが2013年から展開しているサービス。2015年12月8日からAmazonを通じてサービス申し込みができるようになった。

 同サービスでは、法事法要手配と戒名授与がセットになって6万5000円など料金が明示されており「分かりやすい」と評判に。さらに「お車代・お膳料・心づけなどは不要」「戒名は宗派に合わせて『信士・信女』『釋・釋尼』のいずれか」などと明記されており、料金面の不安を感じさせない内容になっている。

 だが、これを受けて全日本仏教会の齋藤明聖理事長が公式サイト上で「お坊さん便」を批判する以下のような声明を発表した。

「お布施は、サービスの対価ではありません。同様に『戒名』『法名』も商品ではないのです」
「お布施は、慈悲の心をもって他人に財施などを施すことで『六波羅蜜(ろくはらみつ)』といわれる修行の一つです。なぜ修行なのかというと、見返りを求めない、そういう心を持たないものだからであります」
「まさしく宗教行為をサービスとして商品にしているものであり、およそ諸外国の宗教事情をみても、このようなことを許している国はありません。世界的な規模で事業を展開する『Amazon』の、宗教に対する姿勢に疑問と失望を禁じ得ません」

 同会は米Amazon本社にサービス取扱いの中止を要請する予定だという。

 実は以前にも同会は「新規参入」に反発している。2010年にイオンが「お坊さん紹介サービス」としてお布施の目安金額をサイト上に掲載したが、この時も「お布施の金額を表示するのは適切でない」などと猛批判。これを受けてイオン側はサイト上の目安料金を削除し、コールセンターで詳細を伝える形に変更した。

 しかし、今回のケースをはじめとした中小の僧侶派遣サービス業者はお布施の価格明示化が当たり前になっている。よって法的に問題はないが、仏教会は大手を対象に「モラル」「伝統」を理由に価格明示をやめさせたいようだ。

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