4K番組の録画禁止案に広がる波紋…テレビ機器不要論にまで発展か (2/2ページ)

デイリーニュースオンライン

 東洋経済オンラインは同記事で、「CMスキップ禁止という案が通れば、複製禁止の運用を可能にするという主張は取り下げるのではないだろうか」と提案している。

 "CMスキップ禁止はインターネットストリーミングであれば、放送局自身が提供するサーバーの機能として実装できる。複製禁止にした上で、見逃し視聴サービスに誘導。有料サービスあるいは広告付き配信などの形で”録画の代わり”を提供する。ただし、この場合は4KではなくフルHDでのサービスになる可能性もあるだろう。(東洋経済オンライン「『4K番組は録画禁止』という驚愕のシナリオ」より一部抜粋)"

 と、ネット上での見逃し視聴サービスの提供案を出しているのだ。各放送局が主体となって、録画機能に頼らなくても良い環境を生み出せば、既存の視聴者も納得するのではないかというのだ。一理ある。民放公式テレビポータル「TVer」で各局の一部番組がすでに配信されているため、技術的にはすぐにでも実現できるはず。録画不要の環境を生み出すには視聴期間を限定しないことが最善と思われるが、例えば過去の番組を視聴する際も最新CMを流す仕組みを設ければ面白いかもしれない。

 が、気になるのはテレビ機器の存在だ。常日頃から各種メーカーが新機種を売り出しているが、4K放送のスタート時に"インターネットのテレビ"化が進めば、「テレビ機器でしか4Kでテレビ番組は見れません」という謳い文句も、4K対応のPCディスプレイや4Kコンテンツ(有料)を展開するNetflixのような映像配信サービスがある中では、イマイチ魅力に欠ける。それに、フルHDも十分に高画質だ。「4K画質は必要ない」というユーザーが出てくるのは目に見えている。ややもすれば、「テレビ機器はいらない」という終局が遠くにチラホラかすんで見える。

 録画禁止案で揺れる4K放送。テレビ業界に、そして視聴者に一体どんな変化をもたらすのか……?

蒼木学(あおきまなぶ)
フリーの取材記者。エンタメ・芸能から教育・社会問題まで幅広く取材を行う。興味のあるトピックは人工知能、近現代史。
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