理解不能?中国人が見た”日本の成人式”「目立ちたいならコミケに行けばいいのに…」 (1/2ページ)

デイリーニュースオンライン

中国人は日本の成人式をどう見るのか (C)孫向文/大洋図書
中国人は日本の成人式をどう見るのか (C)孫向文/大洋図書

 こんにちは、中国人漫画家の孫向文です。2016年1月11日の「成人の日」、僕は成人式の式典が行われた某会場を見学する機会をいただきました。実は成人式は若者たちの羽織袴、振袖姿が見られるということで、多くの親日外国人たちから注目されている式典なのです。

中国では民族衣装を着ることは「非生産的行為」

 日本では成人式以外にも正月やお盆の時期など、伝統衣装を着用する機会が年に何度かありますが、中国では共産党政権成立時に「国際共産主義化」を提唱し、自国の伝統文化を「非生産的行為」として否定したため、国民たちが民族衣装を着用する機会はほとんどありません。そのため着物を着て正月を祝い、浴衣を着て夏の縁日に出かける日本人に憧れる中国人は少なくないのです。

 中国では、満18才時に「成人宣誓式」というセレモニーが行われます。このセレモニーは日本の成人式のように決まった時期に行われるのではなく、5月4日の「青年の日」など自治体ごとに開催日が異なります。成人宣誓は日曜日に開催されることが多く、会場はスポーツ施設のグラウンドなどが主に利用されます。前日に学校側から成人宣誓式の開催日と場所が通知されるのです。

 式の際には白いYシャツを着用することが義務つけられますが、スボンに関しては特に規定はありません。参加者たちは学校のクラス別にまとめられ、まるで小学生時の「共産主義少年先鋒隊」(中国の少年組織)の入隊式のように整列させられるのです。そして全員が整列した後、自治体の長が政府宣伝部によりあらかじめ用意された、「今後も社会主義の核心的な価値観を信じて頑張りましょう」といった内容の言葉を読み上げます。そして参加者たちは中国国歌が流れる中、右手を握りしめそれを側頭部に向けながら、「私たちは今日から成人となります!これからも中国共産党の指示に従い、共産主義の実現のために努力します!」と、中国国旗に宣言し、その後「平和の象徴」として数百羽の鳩が空に放たれて式はクライマックスを迎えます。

 なお成人宣誓式は厳格な式典であるため、会話したり笑顔を見せてはならないことを、あらかじめ学校の教師から伝えられます。このように成人宣誓式は、新成人を祝福するというより共産主義イデオロギーを若者たちに刷り込むための「儀式」であり、自由なスタイルで参加者の笑顔が絶えない日本の成人式とは対極的なものです。

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