阿部寛は元パチプロ!? 芸能界で最強の博才を持つ意外なあの人!?

日刊大衆

阿部寛は元パチプロ!? 芸能界で最強の博才を持つ意外なあの人!?

 ギャンブラー、賭博師。ハスラー、博徒。どんな呼び名であろうとも、彼らが無為徒食の人間であることは知っている。賭事。ギャンブル。博奕。イスラム圏では今なお戒律違反とされているように、それが悪徳だとは知っている。それでも我々はなぜ、台を転がるサイコロの目ひとつに人生を賭ける人間に惹かれてしまうのだろうか。

「賭けない男たち、というのは魅力のない男たちである」

 作家・寺山修司が言うように、古くはドストエフスキーの『賭博者』から『賭博黙示録カイジ』にいたるまで、洋の東西を問わずギャンブルほど男たちを魅惑してきたテーマはない。一か八か、丁か半か。偶然の目に財産を賭け、一瞬にして人生が変わる瞬間というのは、一度経験したら逃れられないのか。

「俺らは元からギャンブルみたいな世界で生きてるんだから、わざわざ賭け事で運を使っちゃダメなんだよ」これはビートたけしの弁だが、そのたけしも麻雀やオートレース狂であることがよく知られているように、賭博の魅力に取りつかれた人間は芸能界には少なくない。

 現在の芸能界で博徒代表と目されている存在といえば、坂上忍を置いてほかにないだろう。数年前に毒舌キャラでブレイク以降、大物司会者としてテレビに引っぱりだこになった今もギャンブル全般を愛してやまず、麻雀、競馬、競艇とそのジャンルは多岐におよぶ。2012年に『笑っていいとも!』のレギュラーを引き受けた際も「カジノに行きたくなったら休んでいい」という条件付きだったというエピソードは有名だ。

 そして坂上の生粋のギャンブラーぶりをあらわすエピソードといえばやはり、20年以上にわたって続けているという、「年末のボートレースに1年間に稼いだ有り金すべてをつぎ込む」という豪快な賭け方だ。これまで年末の競艇で使った総額は数億円におよび、勝った額は通算1億円だが、負け額も3億円以上。一昨年は「フェラーリが買えるぐらい」大損し、財布には数百円しか残っていなかったという。それでも坂上はきっぱりと公言している。

「今年もやりますよ。年末の大勝負は僕にって禊ぎの儀式。1年の稼ぎを整理し、身を清める」今や年収が数億円におよぶという坂上は、昨年末、競艇レースにいくら突っ込んだのだろうか。

 俳優業界で坂上とならぶギャンブル狂と言えば、『相棒』の米沢守役などでおなじみの六角精児も筋金入りとして知られている。今でこそ個性派俳優としての地位を確立している六角だが、まともに仕事をするようになったのは40歳を過ぎてからこと。学習院大学に入学するもパチンコにのめりこみすぎロクに授業も出ずに中退。パチンコやパチスロ、競馬に競艇とあらゆるギャンブルに明け暮れる生活を送っていた。特に競馬は全国の競馬場を旅打ちしてまわるほどの入れこみ様だったが、当然資金はまわらずに消費者金融から金を借りつづけてふくらんだ借金は1千万円。一時はすべてのテナントが消費者金融という「サラ金ビル」で1階から5階まで借りてまわったこともあったという。

 それでも六角のギャンブル依存が治ることはなかった。「ギャンブルの借金はギャンブルで返す」という発想そのものがすでに賭博常習者の悪癖だが、毎朝10時にパチンコ屋に並び閉店まで打ち続ける生活を2年間送ったという六角は、当時の心情をエッセー集『少し金を貸してくれないか』でこう綴っている。

「漂うような焦燥感と、沈んでいくような快感があった」

 これこそ(ドストエフスキーの『賭博者』でも描かれた)ギャンブル依存症の赤裸々で切実な内面告白だろう。人間の業の深さを味わったギャンブラー時代があったからこそ、六角の演技には一見軽妙に見えてもどこか底しれない深みがあるのかもしれない。

 六角とおなじように陽の目を見る前の下積み時代、ギャンブルで生活をしのいでいたという俳優は実は少なくない。ただそれがこのビッグネームであることには軽い衝撃を覚えるかもしれない。

 阿部寛。今や人気実力ともにトップ俳優となったイケメン俳優はかつて、パチンコで生計を立てるパチプロだった。阿部は大学在学中に『メンズ・ノンノ』でモデルデビュー、パリコレに進出するなど順風満帆なキャリアを歩んできたかに思える。だが20代の頃、知人の紹介でマンション投資に手を出し、バブル崩壊とともに数億円の借金を背負ってしまう。さらにモデルから俳優に転身するも、高すぎる身長と二枚目すぎるルックスが演技の世界では逆にアダとなり仕事は激減。借金返済どころか生活さえも困窮していた阿部を支えていたのがパチンコだったのだ。

 現在も「パチスロは無理だけど、パチンコなら今でも同じくらい行くんじゃないですかね」とインタビューで答えている阿部。2015年秋クール最高視聴率を獲得した『下町ロケット』(TBS系)など、エリート役を演じることの多い阿部だが、イメージとは裏腹に映画『自虐の詩』で演じた仕事もせずギャンブルに明け暮れるダメ亭主役のほうが実は地に近いのかもしれない。

 それにしてもギャンブル浸りの生活を送っていた阿部や六角が、今やともに銀行のCM(三菱東京UFJと東京スター銀行)に出演していることには、どこか皮肉めいた運命を感じるのは筆者だけであろうか?

<文・鈴木ユーリ/別冊週刊大衆『運命をつかみ取る「勝負師」たちの「勝つ生き方」』より>

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