深夜0時以降は食べないで!夜食は記憶力低下の危険があると判明
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食事
夜中にどうしてもお腹が空いてしまって、なにか口に入れた経験は誰しもあるでしょう。
しかし、まさかその夜食が記憶力に問題を引き起こすとは考えたことがないと思います。今回は『Medical Daily』を参考に、夜中の食事が人間の脳に与える悪影響について紹介します。
■夜中の食事は記憶力にどう影響するのか
カリフォルニア大学ロサンジェルス校(UCLA)の研究者は、適切でない時間に食べる食事が脳に悪影響を与えるということをふまえ、脳内でなにが起きているか調査をしました。
彼らの調査は、ある程度一定の規則的な時間に食事を摂ることが、脳内の記憶力を保つために大切であるかを証明するもの。
UCLAの研究者ドーン・ロー氏によると、眠っているときも人の脳は働いているものの、その機能が睡眠中はいくらか鈍くなっているそうです。
それでは、通常眠っている時間に「食事をする」というイレギュラーな行動が脳にどのような影響を与えるのでしょうか。
■夜中に食事を与えたマウスは記憶力低下
研究では、日中6時間定期的にマウスの群れに餌をやり、記憶力について観察が行われました。
最初は食事の時間を日中の6時間に制限していましたが、夜中にも食事を与えるようになると、マウスの記憶力に悪影響が出ました。物事を思い出すことが難しくなったばかりか、長期的な記憶力も急激に低下してしまったのです。
研究者は、あまりにもイレギュラーな時間の食事が脳の海馬に損傷を与えると考えています。海馬は感情や能力・記憶力などをつかさどる場所です。
そもそも人間を含めた動物は、特定の神経回路を通して記憶を定着させます。特定の信号や動きが繰り返されたあと、最終的に記憶が補強されて「覚えている」状態になります。
しかし、深夜に食事をすると、脳に余計なスケジュールがインプットされるので、記憶を司る海馬に余計な悪影響を与えてしまうのです。
この事実を、遺伝学の面から考えてみましょう。
人間の遺伝子は、体のサイクルを整える24時間周期の「体内時計」を持っています。記憶に関してはCREBと呼ばれるcAMP応答配列結合タンパク質によって管理されています。
前述のマウス実験の際、夜中も食事をしたマウスは日中のみ食事をしたマウスよりも活動的なCREBタンパク質の量が少なかったという事実が判明しました。
ただ、研究者はこの事実だけで夜中の食事が記憶力にダメージを与えるとは考えておらず、一つの要因となり得るという程度で捉えているようです。
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今は23時を過ぎても宅配ピザが届けられ、24時間好きなときにコンビニで食べものが手に入る時代です。1日3食規則正しく摂る、そんな基本的なことさえできないときもあるでしょう。それが日常化してしまっていればなおさらです。
UCLAの精神医学教授、クリストファー・コールウェルは、「食事のタイミングが記憶力も含めた思考力全体に影響を与える可能性があることは心に留めておくべきだ」と主張します。
規則正しい生活というシンプルなことこそいちばん難しいのですが、もしも夜中に冷蔵庫の前に立つことがあれば、「この一口は太るだけではなく脳の記憶力にも影響する」と考えて、一度は伸ばした手を引っ込めてみてくださいね。
(文/スケルトンワークス)
【参考】