【マイナンバー】トラブル多発で暗雲…なりすまし・不正利用で国民のリスク増大 (3/3ページ)

デイリーニュースオンライン

マイナンバー導入国で「なりすまし」事件多発

 このようにマイナンバー制度において国民が最も不安に感じているのはセキュリティ面。政府は厳重な情報管理体制を整えているそうだが、昨年末に保険証情報が約10万件流出したばかりで説得力は皆無。マイナンバーが流出すれば個人情報が丸わかりになってしまうのではないかと懸念がある。

 といっても、マイナンバーによって芋づる式に個人情報が漏れる恐れはない。今までと同じく個人情報は各行政機関が分散管理しているため、ナンバーだけですべての情報が把握される可能性はないのだ。

 また、マイナンバー利用においても役所などでは免許証などの身分証明書で本人確認をする。ナンバー単体では手続きができず、マイナンバーカードは顔写真付きなので「なりすまし」の心配はないというわけだ。

 しかし、前述の「カード誤交付」のケースでは顔写真付きでも職員が間違った相手に渡してしまった。マイナンバーカードは身分証明書として使えるが、顔写真がついているだけでは不正利用を防げない証拠になったともいえる。もしカードを盗まれたりスキミングされれば、ケータイ契約や振り込め詐欺用の口座開設、消費者金融での借り入れなどに悪用される危険性がある。

 実際、マイナンバー導入国であるアメリカでは「なりすまし」が横行している。

 身分証明となる社会保障番号が数千万件単位で流出し、それを何者かが悪用して日本の国税庁に当たる内国歳入庁のシステムに不正アクセス。1万3000人分の税還付がだまし取られてしまった。

 これ以外にも様々な犯罪に悪用できるため、米国では社会保障番号が闇市場で広く取り引きされている。それゆえに販売目的で大量の番号を入手しようとするハッカーが後を絶たず、悪循環になっている。

 問題山積のままスタートしてしまった日本のマイナンバー制度が、導入先進国の二の舞にならなければいいが……。

佐藤勇馬(さとうゆうま)
個人ニュースサイト運営中の2004年ごろに商業誌にライターとしてスカウトされて以来、ネットや携帯電話の問題を中心に芸能、事件、サブカル、マンガ、プロレス、カルト宗教など幅広い分野で記事を執筆中。歌舞伎町や新大久保をホームグラウンドに飲み歩くのが唯一の楽しみ
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