温泉と医学の融合…温泉医学ってどんなことを研究してるの?

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皆さんは「温泉医学」という言葉を聞いたことはありますか?
あまり聞きなれない言葉だとはおもいますが、なんとなく「温泉と体の治癒ということ…?」イメージできるのではないでしょうか。世間でいわれる湯治場(とうじば)もそういった温泉医療と分類されます。

温泉医学は民間医療のような印象を持つかもしれません。いわゆる現代医療である西洋医学とは異なります。われわれ日本人としてはなじみが深く、ルーツをたどると大昔ヤマトタケルノミコトが、東方遠征の帰りに草津に立ち寄って温泉で傷を癒した……という時代まで遡る話もあるくらい、実はかなり歴史の古い医学なのです。

今回はこの温泉医学について、医師に解説していただきました。 温泉療法は先端医療でも治せない病を癒す代替医療? 現代は高度先端医療が世間では求められるようになっています。しかし、先端医療でも治療不可能であるとされる人も現実に存在しています。
そういった西洋医学では限界のある人を癒すために代替医療として温泉療法などが一部で見直されているようです。

私個人の見解としては、基本的には温泉療法はリハビリテーション医学の重要な分野であると考えており、水治療温熱療法に分類されます。

つまり、温泉水の持つ物理療法的要素である浮力・温熱・水抵抗などを利用して、理学・物理療法や水中運動が行われています。 温泉医療ではどんなことを行うの? たとえば変形性関節症慢性腰痛症の方は、陸上での理学療法には疼痛(とうつう)のために限界がある方が多くいます。
そこで、温泉内で行われることで体に浮力が働いて陸上よりも負荷をかけることが可能となったり、温熱効果にて筋肉が弛緩してリハビリテーションの際の関節可動域も上がって、その効果を最大限に発揮することができるという効能が提唱されています。

このリハビリテーションという分野では、温泉医学がただの民間療法であると断言することはできず、実際に九州大学などの研究機関をあげて「温泉医学」を科学することを目標に学会も設立されています。現在も「日本温泉気候物理医学会」として活動が継続されています。
温泉による基礎疾患の治療や予防が可能という研究結果も! 「日本温泉気候物理医学会」では年に一回学術集会を行っていて、様々な医療に携わるパラメディカルから経験を発表することがされており、2016年は群馬県渋川市伊香保温泉で行われるようです。

2015年に開催された内容をいくつか紹介します。
・癒しの循環器治療 ~温浴と森林浴~
・温泉気候療法による糖尿病の予防と初期治療について
・温泉療法による糖尿病患者の抗動脈硬化作用について

このように、温泉によって基礎疾患を治療・予防することができることが発表されておりました。 【医師からのアドバイス】 温泉医療が西洋医学とは異なることは、以下の2点と考えられます。
・基礎疾患に対する治療などについて効果が現れる方もいれば全く効果が出ない方がいる
・長期間継続することでようやく効果を経験することができるようになる

前述したとおり、リハビリという目的については私個人としては単純なリハビリと比較して、効率が良いと考えています。一考の意義はあるのではないかと思います。

興味のある方は学会ホームページなどを参考にしてみてはいかがでしょうか。


(監修:Doctors Me 医師)

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