“いいとも”の聖地・スタジオアルタ「休業」で振り返る「放送禁止」事件簿 (1/2ページ)
「笑っていいとも!」(フジテレビ系)終了から早2年、収録が行われたスタジオアルタが3月末で休業する。生放送バラエティの歴史を振り返るとともに、今では絶対見られない「放送禁止シーン」をお届けしよう。
3月31日放送予定の「出張!5時に夢中! in新宿スタジオアルタFinal」(TOKYO MX)でお役御免となるスタジオアルタ。初収録番組は「日本全国ひる休み」(フジ系)で、放送開始日はちょうど36年前の3月31日。テレビ解説者の木村隆志氏が語る。
「それまで正午に民謡番組を放送していたフジが、初めてバラエティの要素を取り入れた革命的な番組改編でした」
その半年後にスタートしたのが「笑ってる場合ですよ!」(フジ系)。当時の漫才ブームに乗って、総合司会にB&B、レギュラーにツービートや紳助・竜介ら人気お笑いコンビを起用し、昼の帯番組に一石を投じた。
「印象深いのは勝ち抜きブス合戦。毎回2人の素人女性が登場して、どちらがブスかを決める企画。当時、進行役を務めていた芸人が『ろくなブスがいない』と、その前の新婚さんコーナーに出ていた新婦さんを壇上に連れてきたこともありました」(前出・木村氏)
こんな常識破りの演出で番組は熱狂的な支持を集めたが、81年1月15日に“笑えない”事件が起きた。
「観客を決めるのは先着順で、早く行けば誰でも観覧できたんです。その日は祝日だったため、希望者が殺到しました」(前出・木村氏)
その結果、アルタ前で群衆が将棋倒しになり、2人が負傷する惨事となった。
「事件当日は、無観客試合ならぬ無観客放送に。実は以前から学校をサボッて観覧に出かける中高生が続出して問題になっていました」(前出・木村氏)
この教訓を生かし、観覧希望者に対して年齢制限と「ハガキ抽選」の制度を設けたのが82年10月スタートの後番組「笑っていいとも!」(フジ系)だ。
「司会のタモリさんはその前年の6月まで、日曜の昼にテレビ東京で『タモリの突撃生放送』という冠番組を持っていました。