16年ぶりの女性騎手・藤田菜七子に沸くスポーツ紙の熱狂ぶり|プチ鹿島コラム

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藤田菜七子にもっとも熱狂的?スポーツ新聞各紙を読み比べ
藤田菜七子にもっとも熱狂的?スポーツ新聞各紙を読み比べ

プチ鹿島のオヤジジャーナルどっと混む

 今回は話題の藤田菜七子についてのスポーツ新聞読み比べです。16年ぶりに誕生したJRAの女性ジョッキー。18歳。初勝利までは記事をためておこうと考えていたのですが、3月24日に初勝利。早い! めでたく読み比べスタート。

 まず昨年7月22日発行の東スポがデカデカと「JRA美女騎手候補生直撃 17歳菜七子」と一面で大きく報道した。「来春7人目のなでしこ騎手へ奮闘中」と。

 そしてプロ初騎乗戦が今年3月3日の川崎競馬場。つまり「ひなまつりデビュー」。この日の川崎競馬場は入場人員7000人を超え、平日開催平均の2倍だった(!)。日刊スポーツは一面見出しで「アイドル騎手降臨!!菜七子ちゃーん」(3月4日)。

 スポニチは「売店仰天 1Rから重賞ぐらいの人出」と、川崎競馬場のコロッケの売り上げを伝えた。パドック横の売店では午後4時すぎにコロッケやチキンフライなど、飲み物以外の食料がすべて売り切れ。コロッケは通常の2倍ほど仕込んでいたのに。※私が期待した「コロッケ、店員ホクホク」というオヤジジャーナル見出しはなかった。

 そしてJRA(中央競馬)デビューが3月5日の中山競馬場。「マスコミ35社220人パドック重賞並み」「開門行列1526人、騎乗レース売り上げ前年比132%」(スポニチ)という過熱 ぶり。

 このあと、高知競馬場に参戦したり、オープン戦で大谷翔平の前で始球式をやったり、とにかくスポーツ紙に貢献する藤田菜七子。ついには新人ながら早々に重賞「スプリングS」に初騎乗(3月20日)。藤田菜七子が騎乗した馬は「モウカッテル」。馬名の意味は「もう、勝ってる」らしいけど、この日は「儲かってる」というJRAの叫びに聞こえた。モウカッテルは8番人気で9着。でもやっぱりJRA儲かってる。

■初勝利に沸く各スポーツ紙、おじさんも人生を振り返る

 そしてこの日がやってきた。「やったね菜七子初勝利」(日刊スポーツ・3月25日)。24日に浦和競馬の3Rで初勝利。このあと6Rで2勝目も。藤田菜七子は「死ぬまで忘れられない」とコメント。この言葉を受け、「自問自答した。死ぬまで忘れない一日・・ってあったかな。う~ん」と書いたのはサンケイスポーツのコラム(3月26日「甘口辛口」)。おじさんの人生も思わず振り返らせてしまう18歳新人。

 私の周囲の競馬ファンに「菜七子フィーバー 」について尋ねてみると、みんな新スターの登場を歓迎していた。ジャンルに活気が出ると。その一方で「レースによって藤田菜七子の騎乗馬が過剰に上位人気したら、実力のある他馬で勝負」とも笑顔で言っていた。勝負に徹していました。オヤジジャーナルをワクワクさせる藤田菜七子に今後も注目です。

著者プロフィール

putikashima

お笑い芸人(オフィス北野所属)

プチ鹿島

時事ネタと見立てを得意とするお笑い芸人。「東京ポッド許可局」、「荒川強啓ディ・キャッチ!」(ともにTBSラジオ)、「キックス」(YBSラジオ)、「午後まり」(NHKラジオ第一)出演中。近著に「教養としてのプロレス」(双葉新書)など多数。

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