熊本地震後に芸能人の“不謹慎”狩り…長澤まさみは「笑顔」だけで炎上 (2/2ページ)

デイリーニュースオンライン

■SNS上の「監視社会化」が進行

 批判する人々がいる一方で「少しでも贅沢したら非国民扱いされる戦時中のようだ」「不謹慎って騒いでる連中は地震にかこつけて自分のウサ晴らししたいだけでしょ」」「不謹慎狩りとしか思えない」といった意見も上がっている。

 これと同じような状況は2011年の東日本大震災の当時にもあった。日本全体が「自粛ムード」に包まれ、その時にも多くの芸能人がバッシングにさらされた。「被災地違いの人は『いつも通り』にすべき」「普通に飲んで食べて経済を回すことが最大の特効薬」といった意見もあったが、まさに今回は同じてつを踏んでいる状況。ただ笑顔の写真を掲載しただけで叩かれるのは状況が悪化していると感じられなくもない。

「実際に被災者から『不愉快だ』とクレームが上がったケースはほとんどなく、大半は被災地と無関係なネットユーザーが独善的な感覚で批判している。海外ではSNS上で差別問題と熱心に闘うあまり攻撃的になる『ソーシャル・ジャスティス・ウォリアー』が問題視されていますが、正義感の暴走という意味では似たような問題といえます。SNSの浸透によって『誰かを叩きたい』という願望を持ったネットユーザーが増加し、災害がいい口実になってしまっている。これでは『何もしない方がマシ』となってしまいかねない」(ITジャーナリスト)

 本当に被災地に寄り添うつもりならば「不謹慎だ」と血眼になって騒ぎ立てるより、もっと大事なことがありそうに思える。だが、この風潮は加速するばかり。被災地そっちのけでSNSの「監視社会化」が進んでいきそうだ。

文・佐藤勇馬
※個人ニュースサイト運営中の2004年ごろに商業誌にライターとしてスカウトされて以来、ネットや携帯電話の問題を中心に芸能、事件、サブカル、マンガ、プロレス、カルト宗教など幅広い分野で記事を執筆中。著書に「ケータイ廃人」(データハウス)「新潟あるある」(TOブックス)など多数。
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