宇多田ヒカルはやる気ゼロ?関係者が困惑する新曲発表の舞台裏 (2/2ページ)
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■ 自身のキャンペーンにも参加せず
鍵となるのは、契約問題だという。
「今回の2曲は、レコード会社との契約にのっとりリリースされたもので、さらにこの後アルバムを1枚出す契約も結ばれています。しかし、そのアルバムを1枚出してしまったら、彼女を縛るものはもう何もない。休業しようと思えばできてしまうんです」(レコード会社スタッフ)
だからこそ、スタッフは必死に、宇多田復帰を確実なものにしようとあらゆる策を打った。
まず、Twitterではハッシュタグ「#おかえりHIKKI」で呼びかけ、ツイート数や宇多田の関連商品の購入に応じて、特設サイトの桜の木が咲いていく仕掛けを用意。収益の一部は、東日本大震災の影響による大津波の被害にあった地域に桜の木を贈る活動へと寄付されるよく練られたプランだった。
だが、「当の宇多田本人がプロモーションにあまり気乗りしていないようだ」と音楽関係者は実情を明かす。
「Twitter好きで知られる宇多田ですが、この仕掛けには積極的に参加していません。これまでTwitterでかなりぶっ飛んだ発言をしてきた彼女とは思えないくらい消極的。一方、インスタグラムでは酔っぱらったクマが『今帰ったぞ〜』と言っているイラストを投稿しているので、SNSをさわっていないわけではなさそうなのですが……」
つまりは、子育てと英国暮らしを優先するライフスタイルなのだろう。音楽不況が叫ばれて久しい業界からすれば、宇多田はドル箱コンテンツ。たくさんの曲を発表し、コンサートも大々的に開いて欲しいと思うのも当然ではあるが、両者の思惑がそううまく一致しないのが難しいところだ。
「宇多田が子どもをイギリスにおいて日本に来ることは考えにくい。本人もまだライブをする、日本へ帰るとは明言していません。日本では新曲を出したこと=芸能界に帰ってきたと、となっていますが、スタッフが心配するようにアルバムを1枚だしたら、その後は細々と数年に一度新曲を書く。ライブやテレビ出演はなし、という露出の仕方も十分に考えられます」(前出・スタッフ)
宇多田の楽曲やライブに触れる機会が減るのは、ファンとして淋しくはある。しかし、仕事やお金よりも今、自分にとって大切だと思うことをきちんと選べる宇多田も、それはそれで彼女らしくて魅力的だ。
文・橘カイト(たちばな・かいと)
※1979年島根県生まれ。編集プロダクションを経て、フリーに。週刊誌などで芸能関係の記事を執筆。また、民俗学などにも精通し、日本のタブーにも数多く取材。主な著書に『真相!禁忌都市伝説』(ミリオン出版)ほか多数。