どう考えてもアウトなのにセーフ?政界に適用される”舛添コリジョンルール”|プチ鹿島コラム

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Photo by Luke,Ma
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 あれ、それでいいいの?という案件が先週2つ続いた。まずは野球のコリジョンルール(衝突回避)である。簡単にいうと「本塁での危険なクロスプレー禁止」のこと。

 もともとは「高給取りに怪我されたらたまらない」というメジャーのオーナーの意向ではじまったこのルール。今年から日本にも導入された。開幕前からややこしい、揉めるぞと言われてきたがやはり、揉めている。

 5月11日の阪神ー巨人戦では、どう見ても普通のプレーが「コリジョン適用」されて判定がアウトからセーフにかわった。そんなコリジョンに対して意見が噴出している。

『阪神怒りのコリジョン意見書 ルール改正要求も示唆』(日刊スポーツ・5月13日)

『コリジョンルール 野球にならない』(日刊ゲンダイ・5月13日)

 さっそく解釈で「衝突」している。たしかに、あの程度のプレーがアウトなら(これもややこしい表現だが)、野球の魅力が減ってしまう。まず一つ目の、あれ、それでいいいの?である。

 2件目の「あれ、それでいいいの?」は、舛添都知事による政治資金の公私混同疑惑である。正月の家族旅行まで税金で処理していたのでは?というセコさ満開疑惑。12日のBSフジ「プライムニュース」では、都知事に対して反町理キャスターがあの手この手で舛添都知事にツッコんでいた。

 2年連続「ホテル三日月」で過ごしていることをあげ、「ホテルに行ったかどうかぐらいの記憶は?」と聞くと舛添氏は「頑張って精査しています」。

 宿泊棟からでないと撮れない写真が当時の正月ブログにアップされていることを示し「つまり、宿泊したのではないか」と聞くと都知事は「それも含めて調べているところです。」

 舛添氏は番組開始から「しっかりと精査したうえで」を連発していた(日刊スポーツの調べだと12回)。

 明けて13日の記者会見では、正月のホテル滞在も家族旅行と認めたが、「会議を開いた」として、政治活動の一環と主張していた。しかし飲食代、ホテル代の約45万円は誤解を招いたので返金するという。本当に会議を開いたのなら堂々としてればいいのに、今後は「誤解を招いただけで」いちいち返金するという新ルールをつくってしまった。

 舛添都知事は、どう考えてもアウトだと思う案件を煙に巻いた釈明でセーフにしてしまった。

 多くの人はポカンとしているのではないか。あれ、それでいいいの?と。これはやはり「舛添コリジョンルール」と呼びたいのである。

著者プロフィール

putikashima

お笑い芸人(オフィス北野所属)

プチ鹿島

時事ネタと見立てを得意とするお笑い芸人。「東京ポッド許可局」、「荒川強啓ディ・キャッチ!」(ともにTBSラジオ)、「キックス」(YBSラジオ)、「午後まり」(NHKラジオ第一)出演中。近著に「教養としてのプロレス」(双葉新書)など多数。

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