北朝鮮労働者がクウェートで酒を密造する訳

デイリーNKジャパン

北朝鮮労働者がクウェートで酒を密造する訳

クウェートに派遣されている北朝鮮労働者が、酒を密造した容疑で当局に逮捕された。

現地メディアによると、クウェートの警察当局はワフラ地区にある民家を捜索し、酒の原液200リットル、瓶詰めされた酒322本、醸造設備を押収し、現場にいた北朝鮮労働者2人を逮捕した。

北朝鮮労働者による同様の事件は、枚挙に暇がない。昨年10月、クウェート警察当局は、大規模な酒の密造、密売を行っていたとして北朝鮮労働者22人を逮捕し、密造酒400本と樽入りの酒9700リットルを押収している。彼らは1.5リットル入りの酒1本を3ドルで、他国出身の外国人労働者などに販売していた。

また、6月3日にもアフマディ地区の農場から密造酒55樽を押収、北朝鮮労働者2人を逮捕した。

クウェートには約3000人の北朝鮮労働者が滞在しているが、北朝鮮当局に割り当てられた「忠誠の資金」、つまり上納金を稼ぎだすために、酒の密造、密売を行っている。当初は宿舎で酒の密造を行っていたが、強まる当局の摘発を避けるために、クウェート人所有の民家や農場を借りて、密造を行うようになっている。

クウェートは酒類の製造、所有、消費が禁じられているイスラム教の国だが、人口418万人のうち、67%の230万人が外国出身者で、35%が非イスラム教徒だ。大きなマーケットが存在するだけあって、酒の密造、密売が後を絶たない。

現地メディアによると、税関当局は1日、密造酒54本を所有していたアジア人1人を逮捕、8日には、密造酒60本を所有していたアジア人2人を摘発している。いずれも国籍は不明だ。また6日には、ウィスキー2800本を密輸しようとしていたクウェート人1人を逮捕している。「末端価格」は25万クウェート・ディナール(約8800万円)に達するという。

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