米紙「日本はカルト宗教『日本会議』に操られている」「安倍はトランプと同じ」

トカナ

※画像は自民党公式CMより引用
※画像は自民党公式CMより引用

 7月10日に投開票された第24回参議院議員選挙は「18歳選挙権」が導入された初の選挙として大きく注目された。だが、蓋をあけてみれば、自民・公明与党が70議席を獲得し、目標であった改選議席過半数61議席を上回る予想通りの結果だったといえるのではないだろうか。


■日本はカルトに操られている

 さて、今回の選挙は「改選議席」がキーワードとして各種メディアにとりあげられていたが、それとあわせて右翼団体「日本会議」が“日本政治を陰で操る危険な組織”として話題を呼び、それが英「The Economist」紙 や仏 「L'Obs」紙など、 海外でも大きく報じられたことはみなさんもご存じだろう。

 そして早速10日、米「The Daily Beast」紙が参議院選挙を報じ、「米ヤフー!」にも掲載されたわけだが、そこにはなんと「日本を裏から操るカルト宗教」というタイトルで「日本会議」についての考察が書かれていたのだった。ついに「カルト宗教」呼ばわりされた「日本会議」は海外でどのように解釈されているのだろうか?

【その他の画像はコチラ→http://tocana.jp/2016/07/post_10318.html】

 記事では、「日本会議」は、複数の保守系前身団体が統合するかたちで、平成9年に設立された「美しい日本の再建と誇りある国づくりのために、政策提言と国民運動を推進する民間団体」で、日本会議を支援する議員団体には多くの閣僚メンバーが名を連ねていることや、日本会議の目標の1つが「新憲法」の制定であることから、今回の選挙に深くかかわっていたのではないかと指摘されている。ここまでは日本と同じだ。

 だが、特筆すべきは、「日本会議」の歴史が詳細に述べられていることだろう。とくに「生長の家」をはじめとした神道との関係性が強調されており、これが“カルト宗教”と断じた理由となっている。さらに、「Japanese Donald Trump Commercial」という、共和党のトランプ氏と日本のサブカルチャーを風刺することで一時ネット上で話題になった動画を引き合いに出し、「安倍首相と日本会議」の関係は、「ドナルド・トランプとキリスト教右派」と同じであるとも書かれている。「日本会議」が実際に、アメリカのキリスト教右派と比較可能なものであるかどうかは議論の余地があるが、かなりの先入観をもって書かれた記事であるということがわかる。

 これらはおそらく、アメリカ政治が「キリスト教保守派」団体と切ってもきれない関係であることから、遠い島国である日本の政治闘争も「政治と宗教」の関係が重要であるはずだと考えているからだろう。
 とはいえ、6月9日に宗教法人「生長の家」は、「与党とその候補者を支持しない」と公式に発表。今年5月に出版され話題を呼んでいる『日本会議の研究』(扶桑社)が指摘した生長の家の元信者が「日本会議」の中核メンバーということに対しても、「その事実をまったく把握していない」との態度を示し、現在の「生長の家」は政治活動から撤退していることを強調している。

 つまり、元「生長の家」メンバーが現在も在籍していることを根拠に「日本会議」を「カルト宗教」であると断じるのは少々早合点なのではないかと考えられるのである。

 これに対し、政治に詳しい人物はこう語る。

「日本会議は献金団体としては優秀な面もありますが、集票活動は大して行っていません。そもそも一枚岩の組織体制すらつくることができていない団体なので、メンバーの中には『活動します』と言いながらまったく活動しない怠け者が山のようにいて、間違ってもカルトとは表現できないようなユルい団体なのです。……つまらないかもしれませんが、これが実態です。ゆえに、学会と比べると段違い・桁違いに影響力がありません。もちろん、まったく影響がないとはいえませんよ。でも、頑張って頑張ってやっと武道館に1万人を集められる程度の組織ですから、選挙活動にはほとんど影響していないとみていいでしょう」

 ほかにも政治家秘書など政治に詳しい人物数名に話を聞いたが、総じて日本会議は日本の政治方針に影響を全く与えていないとはいえないが、ここまで話題にされるほど問題視すべき団体でもないという答えが返ってきた。

 果たしてこの「日本会議ブーム」はいつまで続くのだろうか? 今回紹介した「The Daily Beast」は、『日本会議の研究』と朝日新聞を主な情報ソースとして記事を執筆しているきらいがあるが、今後もこのようにして海外で日本以上に過激な“曲解・煽り”情報が蔓延していくのだろうか?

 7月10日には、日本会議のメンバーとされる三原じゅん子氏が「池上彰の参院選ライブ」で「神武天皇が実在の人物であったと考えてもいい」と発言し物議を醸しているが、これも文意を汲み取れば、「たとえ神話であっても神武以来とされている日本の歴史をふまえた上で憲法改正に望む」との発言であり、保守派の中では当たり前の発言。憲法の正当性の根拠として歴史に優位を置く考え方は、保守主義の父として知られるイギリスのエドマンド・バークが提唱した「時効(prescription)」の概念などが元になっており、保守にありがちな発言なのだが、こうした発言もおそらく海外では“カルト的”だと伝えられることになるのだろうか……?

 日本の誤った印象が根付かないうちに少なくとも海外での「日本会議ブーム」が去ってくれればいいのだが。

※画像は自民党公式CMより引用

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