【プロ野球】持っている若虎!阪神・北條史也に期待したいことは? (1/2ページ)
低迷する阪神タイガースの中で、着実に階段を昇っている男がいる。北條史也、プロ4年目21歳。
「奴は何か持っている」
そう感じさせたのが、4月3日のDeNA戦で放ったレフトへのプロ初ヒット。打球がオーバーフェンスした瞬間だった。初ヒットがホームランとなった記念の一打は、満面の笑みで出迎えた金本知憲監督のバースデーを祝う一打にもなった。
昨シーズンまで1試合・1打席しか1軍出場できなかった男が、超変革を追い風にして一気に階段を駆け上がろうとしている。
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■輝かしい歴代2位の1大会最多本塁打記録
「持っている」片鱗は、彼の高校時代にさかのぼる。
光星学院(現・八戸学院光星)の4番としてチームを引っ張った北條にとって、3年夏の甲子園大会は思い出深い大会となった。
北條はこの第94回大会で4本の本塁打を放った。これは夏の甲子園大会における歴代2位の本塁打記録だ。
(1位は5本の清原和博(PL学園)、2位タイは平田良介(大阪桐蔭)が記録している)
また、現チームメートの藤浪晋太郎(大阪桐蔭)とは、この大会の決勝戦で対決。光星学院3対0と完封負けを喫し、惜しくも優勝を逃した。
4番の北條は4打数ノーヒット(うち2三振)。藤浪に完全に抑えられ、この大会でみせていた「ラッキーボーイ」的な勢いは封じられた。
その後、ふたりはドラフト1位(藤浪)、2位(北條)で阪神に入団。プロでも、甲子園大会での勝敗のまま藤浪が常にリードしてきた。
■地道な努力が守備力向上から打撃向上へ
「途中、守備で北條が出てきて怪しいなと思った」
6月2日の楽天戦後、藤浪がヒーローインタビューでみせた北條への“いじり”は、仲の良さを感じさせるものだった。
しかし、藤浪のいじりとは裏腹に、北條の三塁守備は捕球もスローイングも安定度が増していった。
昨年の秋季キャンプ、そして宜野座キャンプでも、久慈照嘉守備コーチにグラブで頭を押さえられながら、守備練習を繰り返す北條がいた。
頭が上下前後にぶれないよう、姿勢を保ち、目線を一定にするのが目的だった。
こっけいな姿にもみえたが、そんな地道な努力が成果として現れてきたのだろう。
打撃でも結果が出てきた北條をみていると、千本ノックで守備を鍛えながら、打撃向上にもつなげていった掛布雅之2軍監督の若手時代を思い出す。