【永田町炎上】蓮舫や三原じゅん子に百万票以上を投じた有権者の知的水準

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Photo by photo AC(※写真はイメージです)
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【朝倉秀雄の永田町炎上】

■政界は男には「受難の時代」?

 英国では故サッチャー元首相以来、二人目の女性首相テリーザ・メイ内閣が誕生し、米国でもどうやら建国以来、初めて女性が大統領に就く雲行きのようだ。筆者は内政では自民党の、米国では共和党の支持者だが、おそらくドナルド・トランプは過激な主張が禍して本選ではヒラリー・クリントンには勝てないであろう。

 目下、舌戦もたけなわの東京都知事選もメディアの世論調査によれば、小池百合子元防衛相が一歩抜きん出ているらしいし、政治の世界は内外を問わず「女性上位」の傾向が強いようだ。

 およそ政治家には旧商工官僚出身で後に民法の大家となる我妻栄と、東大法学部で主席の座を争った岸信介や「大蔵省のプリンス」とまで呼ばれた福田赳夫、高等文官行政科試験を主席で通ったと噂され、英字新聞をスラスラ読めた宮沢喜一のような抜群の頭脳の持ち主で、旧大蔵相や外相、経産相(旧通産相)などの重要閣僚を歴任し、「政策通」として名を売る者と、田中角栄や竹下登、森喜朗らのように党務に強く、抜群の調整能力を発揮する者とに分かれる。

 前者はキャリア官僚出身の「官僚派」に、後者は地方議員や秘書あがりの「党人派」に多い。最近の政治家で言えば、いずれも東大卒で、旧大蔵省出身の加藤勝信・一億総活躍担当相や宮沢洋一自民党税制調査会長らは「官僚派」の、人相が恐ろしげなことから国会対策委員長時代には「悪代官」などと陰口を叩かれた大島理森衆議院議長や「風を読む」能力に優れ、先の総裁選ではいち早く安倍総理の無投票再選の流れを作り、最近は総裁任期の延長論にまで言及している二階俊博総務会長、第二次以降の安倍内閣の要にして舌禍の少なさと危機管理能力の高さから「最強の官房長官」の名を恣にし、長官在任期間の記録を更新中の菅義偉などは「党人派」の代表であろう。8月3日には内閣と党の幹部人事が予定されているが、おそらく二階や菅は続投の可能性が高い。

 女性の活躍をうたう安倍政権は稲田朋美を「党三役」の政調会長に、高市早苗や丸川珠代などを閣僚に抜擢しているが、むろん彼女たちは特に「政策通」というわけでもないし、調整能力に長けているわけでもない。要は「安倍は女性を大事にしている」ように装う内閣の人気取りのための道具に過ぎない。

 そのために割りを食っているのが、約70名にも及ぶ「入閣適齢組」の男性議員たちだ。中には「俺もスカートが履ければよかった」と溜息とともに自嘲の声を漏らす者もいると聞く。いずれにせよ政界は内外問わず女性の鼻息が荒く、男はまるで去勢された雄馬のように元気がない。現代の政界は男にとってまさしく「受難の時代」だと言えるだろう。

■「劣化」する「良識の府」

 宮崎謙介や武藤貴也、中川郁子など昨今は衆議院議員の「劣化」が甚だしいが、今回の参議院選では過去最多の28名の女性議員が誕生した。むろん女性議員が増えることは悪いことではない。

 問題は、中に「質の悪い議員」も紛れ込み、「劣化」が「良識の府」と言われる参議院まで蝕み始めたことだろう。

 7月13日、理化学研究所は、スーパーコンピューターの大規模データ処理能力を競う国際ランキングで理研の「京(けい)」が3年連続で1位になったと発表した。日本にとっては名誉な話である。

 そんなスパコン開発事業について、民主党政権時代の「事業仕分け」で「2位じゃダメなんですか?」などと口走って失笑を買ったのがクラリオンガールズ出身の蓮舫だ。

 その程度の認識しかない蓮舫が今回の選挙でも1,123,145票を獲得しているのだから驚きだ。それに比べ東大法卒、大蔵省の主計官を務め、官僚トップの環境事務次官まで上り詰めた自民党の中川雅治は884,823票で競い負けているのだから、この国の有権者は候補者の政治的資質や政策能力などまったく考えずに投票していることがわかる。

 ちなみに蓮舫はかつて「日本一」になったことがある。それは歴代のクラリオンガールで一番ポスターが売れなかったことだ。

 理解不能の現象はやはり東大卒、女性初の大蔵省主計官にして「日本一頭の良い女」と言われる片山さつきと、ダンサー上がりの今井絵理子の間でも見られる。片山の得票が393,382票なのに、沖縄出身にもかかわらず、沖縄のことなど何もわからず、「これから勉強します」などと宣っている今井が319,359票も取っていることだ。

 片山と今井では政策能力の点では月とスッポンの違いがあるはずで、もし有権者に少しでも人を見る目があるならその程度の得票差では済まないはずだ。

■なぜ安倍政権は片山さつきの能力を活かさない?

 片山といえば舛添要一前都知事の元女房で、男を見る目はいまいちのようだが、およそ予算をともなわない政策はないのであるから、大蔵省の主計官をやれば、ほとんどの政策には精通するようになる。

 生意気な性格なのがたまに傷だが、頭脳の明瞭さと政策能力の高さに関しては日本の女性議員の中ではダントツだ。安倍が寵愛する弁護士出身で、経済に疎い稲田朋美などの比ではない。そんな片山を人事で冷遇するのは「宝の持ち腐れ」というものだろう。

 それにしても理解に苦しむのは、比例区から定員が増えた神奈川選挙区に転出しながら、私設秘書を内縁の夫にして東京都内を生活の本拠にしている三原じゅん子に100万票以上も投じていることだ。

 政策能力など皆無に等しい三原などに、いったい神奈川の有権者は何を期待しているのか。いずれにせよ日本の民主主義は有権者の知的水準が低いのか、完全に「衆愚政治」に陥っているようだ。

文・朝倉秀雄(あさくらひでお)
※ノンフィクション作家。元国会議員秘書。中央大学法学部卒業後、中央大学白門会司法会計研究所室員を経て国会議員政策秘書。衆参8名の国会議員を補佐し、資金管理団体の会計責任者として政治献金の管理にも携わる。現職を退いた現在も永田町との太いパイプを活かして、取材・執筆活動を行っている。著書に『国会議員とカネ』(宝島社)、『国会議員裏物語』『戦後総理の査定ファイル』『日本はアメリカとどう関わってきたか?』(以上、彩図社)など。最新刊『平成闇の権力 政財界事件簿』(イースト・プレス)が好評発売中。
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