【プロ野球】人生で大切なことはヤクルトの本拠地・神宮球場で教わった (2/2ページ)
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■世の中はそんなに甘くない
2016年7月9日、由規(ヤクルト)が神宮球場のマウンドに帰ってきた。5年ぶりの1軍登板にスタンドからは割れんばかりの声援。そして涙。
この登板で「復帰即白星」となればそれ以上の喜びはない。しかし、現実はそんなに甘くなかった。相手のメモリアルデーに強い中日打線に捕まり5回0/3、6失点でKO。白星はお預けとなった。
5年ぶりの復帰戦で快投を演じ勝利できるほど甘くはない。人生はマンガやドラマとは違いご都合主義ではできてないのだ。
「世の中はそんなに甘くないぞ」とあらためて教えられた。
■諦めずに努力すれば願いはきっと叶う
復帰戦で「世の中そんなに甘くないぞ」と教えられた日からおよそ1カ月が経った2016年8月4日。由規は神宮球場で6回無失点の好投を見せ、1797日ぶりに勝利投手となった。
この日のヒーローインタビューで由規は「5年間仕事をしていないなかで待っていてくれてありがとうございます。ずっと、神宮球場で投げて、勝ってお立ち台に立ちたいと思い描いてきました」と、ファンに向けて5年間の想いを語った。
これを聞いて、世の中はそんなに甘くないけど「諦めずに努力すれば、きっと願いは叶う」ということを教えられた。
5年間仕事をしなくても、待っていてくれる会社はないかもしれないが……。
人生で大切なことは学校や職場、家庭だけで教わるものではない。野球を通じてでも十二分に学べるのだ。
人生の学びのために神宮球場へ通っているというのは大げさだろうか。いや、きっとそんなことはないはずだ。
その想いを胸に今日も神宮球場へと出かけていく。
- 文・勝田 聡(かつた さとし)
- ※松坂世代のひとつ上にあたりサッカーの黄金世代となる1979年生まれ東京育ち。プロ野球、MLB、女子プロ野球、独立リーグと幅広く野球を観戦。 様々な野球を年間約50試合現地観戦し写真を撮影する。プロ野球12球団のファンクラブ全てに入会してみたり、発売されている選手名鑑を全て購入してみたりと幅広く活動中。