【プロ野球】「超変革元年!」から来季に向けて ~阪神・金本知憲監督は「超変革」を貫くべきか~ (1/2ページ)
「超変革!」
開幕前はとても新鮮な言葉だった。チームに対する期待度は例年になく高まっていた。
しかし今となっては、「やはり変われなかった阪神」を揶揄する言葉として、使い古された印象しかない。
根本からチームをひっくり返すつもりで望んだ今シーズン。思い通りの野球ができず、ベンチで苦虫を噛み潰したような金本知憲監督の表情だけが残像として残っている。
「超変革!」という、大きなお題目を掲げたがゆえに、チームが勝利から遠ざかると周りからのバッシングは「超」がつくほど厳しいものとなった。
1年で「超変革」の結果を出せるほどペナントレースは甘くない。
だがあえてここは、「超変革元年!」として、今シーズンの戦いぶりから、2年目、3年目につながる成果を探ってみた。
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■選手にチャンスだけは与え続けた
今シーズン、超変革を勝利へ結びつけることができなかったタイガース。
ただ唯一、今までにない阪神の姿を印象づけたのは、若手を中心にファームで目立った選手を1軍で積極的に起用した点だろう。
掛布雅之2軍監督の推薦する選手を1軍登録させると、間髪を入れず、調子のいい状態のまま1軍の試合でチャンスを与えた。
ちなみに9月14日時点で、1軍登録がされなかった選手は、支配下登録70人のうちわずか11人、ここまで59人の選手が1軍の試合に出場したことになる。
以前あれば、1軍に昇格しても試合に出ることなくベンチウオーマーとして数試合を過ごし、そのままファームへ逆戻りというパターンも決して少なくはなかった。
もちろん、1軍に上がる選手が増えるということは、逆に少ないチャンスを生かす必要があるわけで、選手には過度なプレッシャーがかかる。
このプレッシャーをはねのけ、育成枠から支配下登録された後、即1軍の試合に出場。しっかり結果を残した原口文仁は、超変革がもたらした成果ともいえる。