【永田町炎上】政界の常識”白紙領収書”がまかり通るワケ (1/2ページ)

デイリーニュースオンライン

Photo by Pixabay
Photo by Pixabay

【朝倉秀雄の永田町炎上】

■政治資金パーティー会費の領収書は「白紙」が常識(?)

 筆者は先に小池百合子都知事の国会議員時代の「白紙領収書」の問題を指摘した。案の定というか、菅義偉官房長官や稲田朋美防衛相にも飛び火したようだ。他の議員の政治資金パーティーに出席した際、金額が空欄の「白紙領収書」を受け取り、自分たちで金額を記入し、2012年から14年までの3年間の「政治資金収支報告書」に添付していたのだという。

 某新聞などは『社説』で「世間の常識とかけはなれた『慣行』である。国会議員が他の議員の政治資金パーティーに出席した際に白紙の領収書を受け取り、自分の事務所で金額を記入する手法が常態化していた疑いが浮上している。…パーティーの白紙領収書も、裏金作りなどに悪用される懸念は否定できない。…世間の常識に、政界は早く追いつくべきだ」などと手厳しい。

 だが、かつて政策秘書として17年間、政治資金パーティーの段取りや後援会作り、カネ集めなどさんざん「泥水」を飲んできた筆者に言わせれば、そんなことは何も菅や稲田に限った話ではない。「常態化している疑い」どころか、永田町では「常識(?)」だ。

 というのは、受付係が「白紙領収書」を切るには、それなりの理由があるからだ。

■まるで「互助会」にも等しい自民党の「政治資金パーティー」

 選挙費用や事務所の維持費、私設秘書の給与、冠婚葬祭費、子分たる県議や市議への小遣いや陣中見舞いなど選挙に打ち勝ち、「センセイ」と呼ばれる快適な身分を維持するには、湯水のようにカネがかかる。そんな年がら年中、カネに追いまくられている議員たちの「生活の知恵」が生み出したのが「政治資金パーティー」だ。誰が最初に考え出したのかは知らないが、これはカネを集めるには実にうまい方法だ。1人の人間が何千万円もの大金を献金するのは大変だが、1万円や2万円ならあまり苦にはならない。1人当たり2万円でも千人集まれば2000万円二なる。要するに「負担の分散化」を図ることで政治資金を集めるアイデアで、いまは政治家個人だけでなく、自民党では「派閥(業界用語で「ムラ」と言っている)」の年中行事ともなっている。

 自民党では招待状は同じムラの議員を中心に、たとえムラが違っても多少とも縁がある議員には秘書が持っていく。なかには強欲にも日頃付き合いもないのに、同じ党の議員の全員に送りつける者もいる。パーティー券には儀礼上「御招待」のスタンプを押すが、むろん形だけで、それを真に受け、手ぶらで出席する者など誰もいない。カネ集めが目的だとわかっているのだから、当然であろう。そればかりか、議員本人や代理の秘書が出席しなくとも2万円の会費だけは部屋に持参するしきたりが確立している。そうしておけば、自分の時も「お返し」があり、互いに損はないからだ。「美しい助け合い精神(?)」と言おうか、まさにお互い様の一種の「互助会」である。

「【永田町炎上】政界の常識”白紙領収書”がまかり通るワケ」のページです。デイリーニュースオンラインは、政治資金パーティー白紙領収書小池百合子政治社会などの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る

人気キーワード一覧