衛星写真で追い詰める…北朝鮮「集団虐殺」の動かぬ証拠 (1/2ページ)

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衛星写真で追い詰める…北朝鮮「集団虐殺」の動かぬ証拠

韓国の人権団体が、北朝鮮当局により殺害された人々の集団埋葬場所に関する報告書を発表する方向で準備作業を進めている。

北朝鮮当局は、教化所(刑務所)や管理所(政治犯収容所)の収監者に対して、強制労働、拷問、処刑など様々な人権侵害行為を行なっており、死亡したら裏山に生めたり、火葬したりしていることが明らかになっている。

米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、北朝鮮の人権問題に取り組む韓国の民間団体「転換期正義ワーキンググループ」(以下、WG)は、昨年9月から脱北者277人に対する聞き取り調査や衛星写真の分析を行った。それをベースに、集団埋葬場所と推定される12ヶ所を把握し、そのうち1〜2ヶ所については確証を強めているという。

北朝鮮における人権侵害の状況を巡っては、衛星写真の分析から様々なことがわかっている。たとえば2014年10月、平壌に近い姜健(カンゴン)総合軍官学校を撮影した写真を見ると、広場に何らかの物体10個が一列に並べられている。それに向かって6門のZPU-4対空機銃が並べられていて、その後ろには、射撃の様子を観察するためと見られる場所が設けられている(下の写真)。

この画像を米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)に提供した米北朝鮮人権委員会(HRNK)のグレッグ・スカラチュー事務総長によれば、「対空機銃を使って公開処刑を行っている状況に間違いない」と語っている。

そして、アジアプレスは同年10月、北朝鮮の内部情報に基づく「平壌で労働党幹部を集団銃殺か 金正恩氏の指導に違反」と題した記事の中で、10人の労働党幹部が同軍官学校で処刑されたと報じており、HRNKの分析と時期的に符合するのだ。

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