来年1月期の月9ドラマ、『突然ですが、明日結婚します』（フジテレビ系）の主演が、歌手で女優の西内まりや（22）に決定した。同ドラマは、月刊コミック誌『プチコミック』（小学館）で連載中の原作をドラマ化したもので、西内まりやは結婚願望が人一倍強いキャリアウーマンの主人公役を演じる。そのお相手となる人気アナウンサー役には、ロックバンド・flumpoolのイケメンボーカルとして人気の山村隆太（31）が務めることも発表され、山村隆太は同ドラマで俳優デビューとなる。

　西内は、「皆さまにご報告です。私、西内まりやは突然ですが、明日結婚します。というタイトルのドラマで主演を務めます」とTwitterで報告。月9初主演という大抜擢にも、「月9という響きは私が小さいころから特別感があり一つの目標でもありました」と喜びを語っているが、明らかな“消去法”で決定した今回の西内主演について、業界内では不安の声だけがあがっている状態なのだという。

　2016年は、そのほとんどのタイトルでワースト視聴率記録を立て続けに更新するなど、月9のブランド力はもはや地に落ちている。そのイメージの悪さは業界周知で、「大爆死確実の月9枠にはもう出たくない」と、大物俳優の出演NGが続出。この来年1月期に関しても、当初は人気俳優の主演で内定していたというが、その後出演辞退の申し出がありキャスティングは困窮。様々な俳優に断られた末、スケジュールが空いていると事務所からの推薦もあった、西内に白羽の矢が立ったのだとか。

「各芸能事務所の担当者は、視聴率が低迷する月9に出せばむしろ経歴に傷がつくと、もはや大物俳優は出したがらず、名を売りたい新人しか出してきません。今回の西内主演も歌手としてだけでなく、女優としてのイメージを付けたいと所属事務所が推してきたようです。しかし、女優として数字が出せるほどの人気はない西内だけに、局内では今回もワースト視聴率の更新は確実だと既に絶望的な声があがっています」（テレビ局関係者）

■さらに不安視されるお相手バンドマン

　昨年の、『ありがとうForever...』でのヒットも記憶に新しい西内だが、歌手としてのキャリアよりも長いはずの女優業では、これまでに目立ったヒットはない。それだけに、フジテレビ関係者の間で諦めムードが漂っているのももはや致し方がない。

　ましてや今回のお相手役は、これまでにドラマ出演経験のない山村だ。数字の不安はもちろんだが、それ以上に本人の演技力も懸念されるところだ。思い出されるのは、2008年にあったこんなドラマである。

「堀北真希（28）が主演を務めた月9ドラマで、お相手にゆずの北川悠仁（39）を抜てきした『イノセント・ラヴ』です。初回こそ視聴者の興味を誘い、16.9％という当時の中でもまずまずの数字を残しましたが、北川の演技のマズさを指摘する声がネット上で相次ぎ、視聴率が大幅ダウン。最終話は、同クールで最低の、11.7％に終わりました。今回の『突然ですが、明日結婚します』も、山村の演技が“大根”となると、視聴率は下落する一方でしょうね」（テレビ局関係者）

　低視聴率連発で、ドラマ枠自体の廃止も囁かれる月9。このキャスティングが悪循環にならなければいいのだが。

文・佐々木浩司（ささき・こうじ）

※1980年群馬県生まれ。スポーツ誌の契約記者を経てフリーに。現在は主に、週刊誌やビジネス誌で活動中。得意分野は芸能、プロ野球、サッカーなど。主な著書に『洗脳のすべて』（宝島社）など。