「NAVERまとめ」問題が照らす”乗っかる系ビジネス”の悩み|やまもといちろうコラム (2/3ページ)

デイリーニュースオンライン

■問題は「NAVERまとめ」だけではない

 この手の話はほかにもあって、Twitterでの記述を第三者が勝手にまとめて広告貼って商売しているTogetterも別の意味で出火する可能性の高い危険なサービスになってきています。私もいままで何度もTogetterでまとめられたりコメントが流用されていますが、Twitterのアカウントで書いている内容はTwitterのサービスを利用するために記述しているものであって、Togetterの商売のために自由にアクセスさせているわけではなく、承認したつもりもなく、そもそも私もモノを書いて原稿料をいただくことも多いため商売にやっているわけですから、Togetterは引用を超えた利用だ、と言えばそれはそれで通る話です。

 他にもTumblrやWebarchive、魚拓系のサービスもそうですし、およそSNSに関わる外部サービスはSNSに投入されたデータを利活用しており、ウェブ系便利ツールも個人的な私的利用を謳いながらも、実際にはウェブで公開される限りパクリ問題からなかなか逃れることはできません。キュレーションサイト問題とは、誰かが誰かをお薦めするにあたり、その誰かのコンテンツが流用され、流用されて人が集まるほどに運営コストを賄うために広告が貼られるという宿命がついて回ることに根幹があります。

 もともとは、2ちゃんねるまとめサイトだって、新聞や雑誌の記事の一部または全部の引用の下に有象無象の面白コメントがついてそれを整理するだけでコンテンツとして面白いという剽窃上等の仕組みです。

 そこには前述の柿沼太一弁護士の著作権に関する説明と、いわゆる編集による付加価値の“見合い”の部分がどうしても出てきます。引用の範囲内であり、編集のひと手間が入っていれば、まあ問題ないでしょうというのが一連の剽窃サイト問題の落としどころになるのではないかと思います。

 そうなると、やはり丸ごと他社のサイトやコンテンツ、書いたものをもってきて掲載するだけのNAVERまとめやTogetterなどは、日本の法律に基づいて考える限り、限りなく黒に近い黒という判断になっていくのでしょう。

 しかし、その程度のことはLINE法務も知っているはずで、なぜにそんなに突っ張って記事削除しなかったり、告発したクマムシ博士をアカウントBANなどして、着地どころか騒ぎがより拡大するようにネタを広げてしまうのか、という疑念は感じます。一部上場企業がやるビジネスでは本来ないのは間違いないのに、現状の情勢に合わせたり妥協したりしないどころか、DeNA「WELQ」問題がDeNA社全体の問題に拡大した後、煽るようにNAVERまとめのまとめ人に対する報酬アップキャンペーンをやらかすなど、峠の崖下ギリギリを攻めるようにアクセルを地べたまで踏んでいる雰囲気です。

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