印紙が必要かどうかの判断をする際、弁護士や税理士を当てにしてはならない

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印紙が必要かどうかの判断をする際、弁護士や税理士を当てにしてはならない

1枚200円程度しかかからないはずなのに、印紙税の税務調査では数千万円の課税が発生することが多々あります。先日も、兵庫県警察信用組合という金融機関が2700万円の印紙税を大阪国税局から追徴されたというニュースがありました。この報道でも指摘されていますが、印紙税の対象になる契約書に該当するかどうか、弁護士や税理士でも判断に迷います。言い換えれば、弁護士や税理士に聞いても印紙税のリスクは小さくなりません。

■印紙税は独特の世界

税理士が頼りにならないのは、印紙税は税理士が担当する税金ではないと税理士法で定められているからです。税理士が担当する税金ではないため、税理士は印紙税を勉強しませんし、仕組みも知りません(困ったことに、知ったかぶりをする税理士が多いのが困るのですが)。

加えて、弁護士も印紙税をよく分かっていません。印紙税においては、請負に関する契約書に印紙がかかるとしていますが、この請負は、弁護士が得意な民法の請負とは範囲が違います。このため、弁護士の知識で印紙税法を読んでも、誤った結論を導くことになります。

■印紙税は国税の担当者の独壇場

反面、印紙税については、税務職員もほとんど知らず、主担担当という限られた職員しか知らないのが現実です。限られた職員しか知りませんので、決裁もほとんどなく、主担担当の独断で印紙税が課税されているのです。

このため、唯一詳しいのは、税務署の主担担当か、主担の経験があるOB税理士だけであり、リスクヘッジのためには彼らの意見を聞かなければならないのです。

■効果的な対策

最低限の労力で行える、効果的な対策としては、印紙が問題になるのは顧客に大量に交付する文書について、税務署にその文書を持っていき、課税関係を聞くことです。

印紙税は契約書に課税されますが、契約書は取引先との意思の合致を証する書類を意味するとされており、当然ながら取引先に渡さなければ、印紙税がかかる契約書には該当しません。結果として、顧客に交付する文書が印紙税の契約書に該当するかが税務調査では問題になりますので、このうちリスクが大きい大量に作る文書だけ見てもらえば足ります。

国税としても、一枚一枚チェックするのは非効率ですので、納税者が印紙を貼らなくていいと誤解している、大量に作っている文書を狙っていますから、不安があれば税務署に確認をとることとしましょう。

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