1年で300人を虐殺、性的虐待も横行…金正恩「親衛隊」の内幕 (1/2ページ)

デイリーNKジャパン

1年で300人を虐殺、性的虐待も横行…金正恩「親衛隊」の内幕

「国家安全保衛部」といえば、金正恩氏に忠実な北朝鮮の秘密警察だ。住民の箸の数まで知っているというち密な情報網を駆使し、外国のスパイやその協力者をはじめ、国家に不満を持つ「反逆分子」を容赦なく叩き潰す。

捜査から逮捕、起訴そして死刑執行にいたるまで独自の司法権力を持ち、政治犯収容所の名で知られる「管理所」も運営。公開処刑の実行も担当してきた恐怖の代名詞的な存在だ。

レイプも頻発

北朝鮮がこの組織の名前を今年になって「国家保衛省」に変えた。6月29日に開催された最高人民会議(国会に相当)で、「人民武力部(国防省)→人民武力省」、「人民保安部(警察庁)→人民保安省」と共に、従来の「部」から「省」へと変更されたのだ。

この中で「国家保衛省」という呼び名だけが、北朝鮮の国営メディアで未確認だった。それが12月18日、初めて朝鮮中央テレビで使われると、翌日に韓国メディアが一斉に報じた。

北朝鮮ウォッチャーのあいだでは、「省」になったことをどう捉えればよいのか議論になっていた。北朝鮮では「省」よりも「部」の方が上とされるため、格下げになったと見る向きが有力で、その背景に注目が集まっていたのだった。

例えば韓国の日刊紙「東亜日報」で、10数年にわたり北朝鮮と関連した記事を書き続ける脱北者のチュ・ソンハ記者は8月16日の記事で「武力省と保安省は1990年代後半に部から省へと名称が変更され、2000年代になって再び部に変わり、今年になって元の省になった。だが、保衛部は1973年の誕生以降、一度も省になったことは無い」とし、最高指導者の番犬として働いてきた保衛部の格下げを衝撃を持って受け止めた。

これに対する反論を、同じ東亜日報系列の月刊誌「新東亜」10月号が行っていたのを、この度発見した。

メディア初公開という、最近脱北した国家安全保衛部幹部出身のA氏と、人民保安部(警察庁)幹部出身B氏の「独占インタビュー記事」の中で、B氏が格下げとの見解を一笑に付し「呼称のため」と説明しているのだ。

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