進撃の巨人、カリビアンコム、龍角散から見るリテラシー問題|やまもといちろうコラム (1/2ページ)

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 山本一郎(やまもといちろう)です。今年も年始早々からちょいちょい大きいニュースがありまして、先ほどアメリカ大統領のバラク・オバマさん(55)の演説とか、日本が誇る超小型ロケットの打ち上げ延期などの報道を見ながらのんびり相場観ていたわけですよ。

 そしたら、なぜか先日「妻を殺害した」容疑で講談社の著名な編集者が逮捕されたというニュースが出てきまして。もちろん、あくまで容疑であって、本人は犯行を否定しているわけですから、この段階でセンセーショナルな報道を行うのもなかなかむつかしいわけなんですが、そこは我らが『週刊文春』(文藝春秋)、タイトルに「『進撃の巨人』を手掛けた」などと大きいタイトルをつけて煽るわけです。

「進撃の巨人」産みの親 別冊少年マガジン元編集長の妻が怪死

 ネットではこの微妙に事実と異なる表現に対して訂正のツイートが乱舞するに至り、物事の大きさを何の名詞を使って誰がどう判断するのか、報道と煽りにまつわる侘び寂びを感じてしまうのです。『進撃の巨人』方面はとばっちりですし、講談社も変な巻き込まれ方をして可哀想な話である一方、さすがに妻殺害の嫌疑がかかるというのはそう軽い話でもないわけでして、この話をでかくして景気良くしていこうというバイアスをかける側も期待する側も魚心水心的な情景を感じます。

 一部報道では、子供の教育を巡って夫婦間の争いがあり、夫である編集者が亡くなった妻を平手打ちで殴るなどして、文京区の警察署に数度にわたり相談していたというネタまで掘り出されてきました。事実だとすればDVど真ん中ですが、そういう細やかな夫婦間の事情よりも『進撃の巨人』というビッグワードがちらちらと気になってしまうのもまた事実でして。

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