キングコング西野亮廣と”絵本”炎上騒動の未来図|やまもといちろうコラム (1/2ページ)

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Photo by Pixabay
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 山本一郎(やまもといちろう)です。いやー、炎上ってさせる方もさせられる方も楽しいもんですね。正論あり、言いがかりあり、やってきたことをいろんな角度から論評する愉しさというものがそこにはあります。

 今回のキングコング西野亮廣さん(36)の絵本問題、ガセネタも憶測もありつつなかなかのカロリーで問題が広がっていて、ある意味で西野さんの素材の良さが活きていると思います。

 何よりもまず述べておきたいのは、これって西野さんのキャラがああでなければボヤ程度で終わっていたであろう物件だということです。後出しジャンケン的に西野さんのブログで放たれる鋭角の煽り文句、いちいちそれに反応するネット民、そして次々と明らかになる問題行為、クリエイターへの報酬の在り方、絵本業界の将来は、そして西野さんは次の炎上の舞台へ──。

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 もう今年も年始から煽りに煽ってるんですよね。もちろん、本人の才能に依拠する部分もあるでしょうし、周りもこういうことを書かれるとカリカリする、いろんなアンチが拡散するってのは間違いないわけであります。そして、実際に批判が西野さんに集まれば集まるほど、本当に絵本が売れてしまう、彼が成功してしまう、それが腹立たしくてさらにアンチが燃え上がるという図式であります。

 然るに、イラスト自体は西野さんが描いたわけではない、でも西野さんの絵コンテを元にイラストレーターの六七質さんら参加したとされる33名のクリエイターたちが描かれた絵も優れたものだったとして、その絵本としての品質がどうなのか、無料で絵本を公開することの是非は何なのか、いろんな論点が出ては拡散のネタになっていきます。この点で、絵本と西野ネタが輻輳して、モノとしては売れて成功してしまうという「局地的な成功」を西野さんは果たすわけですよ。ある意味で、炎上を含めた状況自体、この環境そのものが西野さんの作品であり、コンテクストなんだろうと思うのです。

 過去にも、品川庄司の品川祐さん(44)、南海キャンディーズ山里亮太さん(39)も、アンチを抱えて表現活動を行って似たような炎上の商品化を図ってきたわけなんですけど、単純に素行や言動で批判されるのに比べてビジネスモデルの是非を論じさせるという炎上のさせ方は好きなようにさせておいて、その実、ビジネスにおいて「モノが売れたほうの勝ち」という見せ方さえ確保しておけば「あれだけ叩かれても仕事は評価された」という形だけが残っていきます。ウーマンラッシュアワーの村本大輔さん(41)も、社会派も語れる芸人枠であったり、お笑い以外の表現を目指していこうとすると、だいたいこういう登竜門をくぐらないといけないのかと思うぐらい、物議の醸させ方から成功を掴む方法がテンプレ化してきているようにも感じます。

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