トランプ大統領は親中派に転向?習近平との電話会談で何が起きたのか (1/2ページ)

デイリーニュースオンライン

習近平主席とトランプ大統領との電話会談を分析 (C)孫向文/大洋図書
習近平主席とトランプ大統領との電話会談を分析 (C)孫向文/大洋図書

 こんにちは、中国人漫画家の孫向文です。

 2017年2月9日、アメリカのドナルド・トランプ大統領(70)は中国の習近平主席(63)と電話会談を行い、中国本土と台湾は不可分とする「一つの中国」の原則を尊重すると伝えたと発表しました。

■トランプ大統領は親中派に転向した?

 今回の発言を受け、親中路線をとっていたバラク・オバマ前大統領(55)を支持していた一部左派・リベラルメディアは賛同的な意見を寄せました。一方、中国の民主活動家や日本の親台湾派からは「路線変更」とも思えるトランプ大統領の発言を危惧する声があがっています。

 ここで電話会談のやりとりを再検証してみましょう。今回の会談では、まず習主席が「一つの中国の原則を堅持します」というアピールを行い、トランプ大統領が「オーケー。私は一つの中国の原則を尊重します」と返答したそうです。

 一見同じ意味に聞こえますが、両者の言葉の意味は全く異なります。習主席が唱える一つの中国とは、「中国共産党は中国唯一無二の政党で、台湾は中華人民共和国管轄下の台湾省にすぎない」という考えに基づくもので、つまり台湾政府の存在を認めないという意味です。

 しかし、トランプ大統領が唱える尊重とは、アメリカが定めた「台湾の国防を保証する6個の項目を固めた上で、中国共産党が中華人民共和国唯一の政府であることを承知する」という事項に基づいたものだったのです。この事項はアメリカ歴代の大統領に代々受け継がれているものです。6個の項目は、

1) アメリカは台湾への軍需品輸出に期限を設定しない
2) アメリカは台湾と中国の仲介役を担わない
3) アメリカは台湾と中国間の統一問題の会談に圧力をかけない
4) アメリカは台湾の主権問題に対する見解は長年変化していない
5) アメリカには台湾関係に関する法律を修正する計画は存在しない
6) 8.17公式声明に従い、アメリカが台湾に兵器を輸出する際は中国の意見を伺わない

 というもので、17年2月8日付けの台湾メディアの報道によると、アメリカのレックス・ティラーソン氏(64)が国務長官に就任した際、6個の項目を承諾することを宣言しました。この事実から有事の際、アメリカの防衛を担うことは明らかです。

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