エレベーターガールや交通整理も?”日本独自の職業”を中国人はどう見たか (1/2ページ)

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中国人が語る日本のサービス業の価値 (C)孫向文/大洋図書
中国人が語る日本のサービス業の価値 (C)孫向文/大洋図書

 こんにちは、中国人漫画家の孫向文です。

 2017年2月15日、雑誌『東洋経済』(東洋経済新報社)に「日本のサービス業は『1人あたり』でG7最低だ」という題名の記事が掲載されました。記事の内容は日本で行われるサービスを「古い」、「効率が悪い」、「過剰サービス」と断定し、「日本の子供が6人に1人が貧困」といったデータと関連付けていました。一見、日本経済の喚起を促す記事に思えますが、僕は読んでいて大きな違和感を覚えました。

■エレベーターガールは中国には存在しない

 僕が少年のころ、中国では宮沢りえ主演の『東京エレベーターガール』(TBS系)という日本のドラマが放送されていました。中国にはエレベーターガールという職業は存在せず、放送当時は「ボタンを押すだけなのに、なぜ人を雇うのか?」という疑問の声が数多くあがりました。僕もこのドラマで彼女たちの存在を知ったのですが、バブル期以降に減少したとはいえ、都心の一部高級デパートや大企業オフィスにはいまだにエレベーターガールが存在します。

 エレベーターガール以外にも、駐車場の案内係など日本には他国では見られない「絶対に必要ではない」職業が数多く存在します。中国に限らず海外のビジネスマンの大半は上記のような職業を「無駄」とみなします。彼らが存在することにより従業員一人当たりの賃金が減少するという理屈です。

 2006年ごろ、中国に在住していた僕はインターネットを利用して日本人原作者と漫画作成の打ち合わせを行っていました。原作者は主人公の浪人生男子が工事現場の交通整理のアルバイトを行っていると設定したのですが、僕はこの時初めてそのような仕事を知りました。

 訪日後、僕は赤く発光する棒を持って人々を誘導する整理員を見て大変感心しました。僕が見た工事現場では5メートル程度の範囲に3人もの整理員が配置されていました。おそらく大半の外国人はこの光景を見て「無駄だ」、「大げさだ」と感じるでしょう。

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