北朝鮮がマレーシア国民の出国を禁止…金正男氏事件で「人質」に (1/2ページ)

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北朝鮮がマレーシア国民の出国を禁止…金正男氏事件で「人質」に

北朝鮮が、自国内に滞在しているマレーシア国民の出国を禁止する強硬な措置を取った。

韓国の聯合ニュースが北朝鮮の朝鮮中央通信を引用して伝えたところでは、北朝鮮外務省儀礼局は7日、当該機関の要請により、国内にいるマレーシア国民の出国を一時的に許可しないことを同国にあるマレーシア大使館に通知した。

7日正午過ぎの時点では、朝鮮中央通信のウェブサイトにこの記事は掲載されていない。しかし聯合は、マレーシア政府もまた、自国内の北朝鮮外交官および大使館職員の出国を禁止する対抗措置を取ったと報じており、どうやら一連の情報は事実であると考えられる。

聯合によると、朝鮮中央通信は、マレーシアで起きた事件が公正に解決され、マレーシアにいる北朝鮮外交官と公民の安全確保が完全に行われるまで、この措置が続くと報じている。

北朝鮮に在住するマレーシア国民は、大使館関係者とその家族、そして国連関係者とその家族ら計9人とされる。また、マレーシアのサッカーチームが試合のため北朝鮮に滞在中との情報もあり、出国禁止の対象はより多数に上る可能性もある。

北朝鮮とマレーシアは、2月13日にクアラルンプール国際空港で発生した金正恩党委員長の異母兄・金正男(キム・ジョンナム)氏の殺害事件への対応を巡り関係が悪化。双方が自国駐在の相手国大使を国外退去とするなどのトラブルに発展している。

また、マレーシアの捜査当局は同事件で、クアラルンプールの北朝鮮大使館に潜伏中と見られ高麗航空職員の逮捕状を取ったほか、同大使館の2等書記官についても重要参考人として事情聴取を要請している。

マレーシアの現地メディアは今回の措置を速報で伝え、「事件をめぐり両国関係が悪化する中で人質を取った」(英字紙ザ・スター)などと批判している。

確かに、このタイミングでの出国禁止は、北朝鮮国内のマレーシア国民を人質に取り、金正男氏殺害事件の捜査終結を強いるものと見られて当然と思える。

一方、中国中央テレビは、北朝鮮駐在のマレーシア大使館で、文書を焼却したり、運び出したり、国旗を降ろしたりなどの動きが見られると報じている。

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