中国は韓国を軽視?THAAD配置から読み解く”中国の対韓感情” (1/2ページ)

デイリーニュースオンライン

中国で巻き起こる反韓運動 (C)孫向文/大洋図書
中国で巻き起こる反韓運動 (C)孫向文/大洋図書

 こんにちは、中国人漫画家の孫向文です。

 2017年3月現在、韓国政府が「THAAD」(終末高高度防衛ミサイル)の配置を決定したことを受け、デモの発生、韓国製品の不買運動など中国各地で反韓運動が巻き起こっています。

■国内外から批判される韓国のTHAAD配置

 中国側が韓国に対し批判的な姿勢を見せている理由は、THAADが中国の核ミサイルに対する抑止力になるためです。そのため中共政府はやっきになって国内の反韓運動を鼓舞しています。さらに韓国国内には親北朝鮮派が多く、もともとは北朝鮮に対する対抗措置であるTHAADの設置に反対する世論も重なり、韓国側は中国に明確な抗議姿勢を示すことができません。

 中国の反韓運動はエスカレートする一方です。THAADが設置される予定の場所は韓国・ロッテ社が所有するゴルフ場ですが、「韓国製ボイコット」というスローガンとともに、ロッテ社の製品不買が呼びかけられています。とある中国のスーパーは、ロッテ社の商品を撤去したことを誇らしげにうたいあげ歪んだ愛国心をアピールしていました。

 中国ロッテ社のインターネットサイトはハッカーの工作により閲覧不可能となり、ロッテ社直営店の前では大勢の人々が集まり、踊ったり「ロッテは中国から出て行け!」という垂れ幕を掲げてデモ活動を繰り広げています。

 被害を受けているのはロッテ社だけではありません。江蘇省の啓東市では韓国・現代社製の自動車が、運転手が中国人にもかかわらず襲撃された様子がネット上にアップされました。北京市のとあるレストランは「韓国人立ち入り禁止」という垂れ幕を掲げています。

 まさに国をあげての反韓運動ですが、一連の流れを見て2012年に発生した尖閣諸島問題をめぐる反日デモを連想した方も多いでしょう。その通りデモが発生する以前に現場に警察が配置されるなど、今回の運動も反日デモと同じく中共政府が作為的に仕掛けたものです。

 ただ、反日デモは五毛党(中共政府に賛同する意見を書き込むネットユーザー)が水面下で呼びかけていたのに対し、今回の反韓運動の場合、中国共産主義青年団がオフィシャルサイトで韓国製品ボイコットを訴えかかるなど、中共政府は自身が首謀者であることをあからさまに公表しています。

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