日本代表デビュー間近の小倉順平、3月のサンウルブズ遠征で何を感じたか。

ラグビーリパブリック

 ラグビー日本代表は4月22日、敵地・仁川の南洞アジアードスタジアムで韓国代表を迎え撃つ。今年度最初のテストマッチとなるアジアラグビーチャンピオンシップの第1節としておこなわれるこの一戦で、司令塔のSOで先発するのは小倉順平だ。

 身長172センチ、体重80キロの24歳。国内所属先のNTTコムで、スペースをえぐる仕掛けと意表を突くロングパスを披露してきた。昨秋から代表入りも、テストマッチに出るのは今度が初。ジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチが編成した若手中心のスコッドにあって、背番号10をつける。

 この春は、貴重な経験を重ねてきた。代表チームと連携を図るサンウルブズの一員として、国際リーグのスーパーラグビーへ参画。3月は長期遠征メンバーに名を連ね、シンガポール、南アフリカを転戦した。

 まずは11日、ブルームフォンテイン・フリーステートスタジアムでデビューを飾った。チーターズに31-38と惜敗したこの第3節では、CTBのウィリアム・トゥポウに代わって後半17分に登場した。

 故障者の続出に伴い、本職と異なるインサイドCTBでのプレー。初陣でいきなり想定外の事態に直面した小倉は、そのこと自体にスーパーラグビーのタフさを感じた。

「スーパーラグビーではけが人が出やすく、戦略的な交代が難しいんだなと。できるポジションについてはその役割を学んでおかないと」

 サンウルブズで初めてスターターを務めたのは、25日の第5節だった。準ホームのシンガポール・ナショナルスタジアムで、ストーマーズを迎え撃つ。自身3戦目となったこの日は、自陣から大きなキックパスをつなぐなどゲームプランを遂行する。しかしチームが31-44と開幕5連敗を喫したとあって、こうも反省した。

「ボールを持たないゲームメイク、チームの体力面のコントロールとかはできていたと思うんですけど、小さなコミュニケーションやプレーの精度を高めないといけない。海外遠征では、自分のなかで学んだことがあります。何よりチームがどんどんまとまっていくのがわかって…」

 スーパーラグビーにおけるリザーブの心構え、細部に神経を注ぐ意識。海外でそのふたつの重要性を再確認した小倉はいま、若手主体の日本代表の一員として「リーダーシップを発揮していきたい」。サンウルブズの本隊がニュージーランド遠征中であることへは、「そこへ行けなかったのは事実。アジアのメンバーに入ったことをプラスに捉える」と応じた。

 東京や沖縄での調整を経て20日、現地入り。春の経験を肥やしにて、目の前のテストマッチデビューへ準備を重ねる。

(文:向 風見也)
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