保守系ルペン氏が圧勝か?中国人が予測するフランス大統領選挙 (1/2ページ)

デイリーニュースオンライン

中国人漫画家が予想する新フランス大統領 (C)孫向文/大洋図書
中国人漫画家が予想する新フランス大統領 (C)孫向文/大洋図書

 こんにちは、中国人漫画家・孫向文です。

 日本時間2017年4月24日に行われたフランス第1回大統領選挙において、中道派を標榜するエマニュエル・マクロン氏(39)と保守系政党「国民戦線」党首・マリーヌ・ルペン氏(48)が勝利しました。同年5月7日に開催される決戦投票に勝利することにより新フランス大統領が決定します。

■大統領選はルペン氏が勝利する?

 各国メディアはマクロン氏が有利と報じていますが、僕はルペン氏の圧勝を予想します。(2017年4月28日現在)第1回大統領選挙の支持率を見るとマクロン氏が23.50%とルペン氏の22.07%をわずかに上回っていますが、これはあくまでもメディア側の発表にすぎず、アメリカ大統領選時のトランプ氏と同じく潜在的なルペン氏支持者が多数存在すると思います。

 今回の選挙に対する中国の反応を見ると双方の支持者が存在するようです。中国経済の発展を願う層はEUとの関係強化をとなえるマクロン氏を支持する傾向があります。

 その理由は中国にはAIIB(アジアインフラ投資銀行)を土台にして対外貿易範囲を中東から欧州へと広げる「新シルクロード構想」があり、その際EUの存在が中国・フランス間の貿易をスムーズに行う潤滑油になることを想定しているからです。

 対してウイグル人によるテロ事件を受け、最近の中国ではイスラム教徒排斥論が巻き上がっており、排斥論支持者は不法移民の入国禁止を訴えるルペン氏を支持しています。

 先日、アメリカのニューヨーク・タイムズ紙はマクロン氏の集会には多くの支持者が集まる一方、ルペン氏の集会は閑古鳥という風刺画を掲載しました。

 同じく日本や欧州の左派メディアも総じてマクロン氏=中道左派、ルペン氏=極右というイメージに基づいた報道を行っています。これは昨年のアメリカ大統領選挙の時と全く同じ状況です。

 メディア側が執拗に推薦するマクロン氏ですが、彼が唱える政策とは移民受け入れの全面支持、EUとの関係強化といったもので、中道ではなく完全な左派思想です。現在のフランスは相次ぐテロと高い失業率に悩まされていますが、マクロン氏の政策は二つの問題の改善策とはなりません。

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