金本阪神が注入した「野村克也の教え」 (1/2ページ)

週刊実話

 金本阪神が首位戦線を順調に戦っている。ペナントレース開幕前、「期待の声」はあったが、現実になるとは誰も予想できなかった。実は、この“春の珍事”には、『ノムラの教え』が注入されていた。しかし、快進撃の裏では『金本批判』もくすぶっている。
 「この成績でよく首位になれたな、という声も聞かれます。阪神はチーム打率がリーグ2位、同防御率はリーグトップ。投手陣が好調なのは嬉しい誤算ですが、守備はいただけない。失策数32(数字は34試合時点)はワースト。うち捕手絡みのエラーも2つ含まれています」(ベテラン記者)

 チーム防御率2.82は12球団トップ。セ・リーグで2点台の防御率を維持しているのは阪神だけだ。エース・藤浪晋太郎がピリッとしないだけに、「どうして首位に?」の声は、やはりうなずける話だ。マテオ、ドリスの両救援投手の奮闘と、昨季、一軍登板のなかった桑原謙太朗がセットアッパーとして大きく貢献していることなどが上げられるが、勝因はそれだけではない。
 「梅野隆太郎が正捕手の座を掴みつつあり、周囲もその努力を認めています」(在阪記者)

 名将・野村克也氏(81)も、梅野を高く評価していた。5月7日、TBS系スポーツ情報番組『S☆1』にVTR出演した同氏は、同日に行われた広島戦を見ながら、「全く繋がりがないのに梅野はあいさつに来た。プロ野球にオレは60年いるけど、配球のことを色々と聞いてきたのは梅野だけだよ」と語っていた。
 ボヤキ、辛口解説の野村氏は、滅多に人を褒めないことで知られている。この称賛は梅野の励みにもなったはずだ。金本知憲監督(49)は桑原の覚醒を見出したものの、梅野の成長は“結果オーライ”だった。
 「梅野を選んだのは、消去法でした。右肩に不安を抱える原口文仁は、一塁にコンバートしてしまいました。バッテリー統括の矢野燿大コーチは、2年目の坂本誠志郎に期待していましたが、開幕前に右手親指を骨折し、梅野しか残っていなかったのです」(球界関係者)

 金本監督を始め、首脳陣は梅野に「打てるのなら、多少は我慢して使うから」という言い方だった。どういう意味かというと、オープン戦を終えた時点で、阪神打線はうまく機能していなかった。正三塁手を予定していた新外国人のキャンベルは、不振と故障でリタイア。

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