【プロ野球】緊急登板にもってこいのタフネス腕・薮田和樹。フォーム改造で待ったなしの今井啓介らが広島を救う (2/2ページ)

デイリーニュースオンライン

■2013年の活躍を思い出せ!

 最後に挙げたいのはかつての絶対的守護神・永川勝浩。


 永川は通算165セーブの球団最多セーブ記録保持者。これまで幾多の修羅場をくぐり抜けた実績と経験はチームにとって大きな財産だ。

 しかし、ここ数年は不振続きで、昨シーズンの5月を最後に1軍での登板はゼロ。年齢的にも後がなくなりつつある感は否めない。

 そんな苦境で迎えた今シーズン、永川も生き残りをかけフォームを改造。三振の山を築いた投球から打たせて取るスタイルに変え、不退転の決意で挑んでいる。

 現状では、2軍で打ち込まれるなど苦戦を強いられているが、フォームが馴染んできたようで、球速は徐々に上がってきた。今すぐの昇格は厳しいかもしれないが、救援陣が疲労困憊の夏場に復活してくれたら、この上なく心強い。

 思い起こすと、1997年以来のAクラス入りを果たし暗黒期に終止符を打った2013年は、ケガで出遅れていた永川が7月に1軍復帰したことから快進撃が始まった。広島ファンなら、あのときの永川の姿は忘れようがない。

 今日の強い広島の幕開けは永川の復活から始まった。そう言っても過言ではない。連覇への救世主として再び輝くことを信じたい。

 5月30日現在、僅差ながら首位に立つ広島。左右のエースを欠くなかでの成績としては立派だ。負傷者が復帰し、ここで挙げた投手の活躍があれば、悲願の連覇への道筋は明るくなる。

(成績は5月30日現在)

文=井上智博(いのうえ・ともひろ)

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