SMAP分裂騒動とジャニー喜多川に”選ばれし者”の恍惚と不安|平本淳也のジャニーズ社会学

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Photo by Pixabay(写真はイメージです)
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 めでたく新連載のオファーを頂き、その初回が誕生日という記念すべきプレゼントとなったが、振り返れば半世紀以上の人生において40年以上を芸能界、そして40年近くもジャニーズに関わっていることになる。長いな……しかし。お陰様で、”元ジャニーズ”となってからも30年以上が経ちました。

 初めて会ったジャニー喜多川さんも、あの時まだ40代だったのかと思うと時間の経過とは凄まじく早く、また恐ろしいと感じている。あれから40年近くも天下を取り続けるジャニーズのおかけで僕も随分と世話になりっぱなしであり、本当に「ジャニーズで良かった」と思える人生だ。

 ジャニーズにいた人間なら誰もがそう感じている。昔の仲間や先輩、後輩らに会う機会も多くあるが、皆もまたジャニーズでいたことを誇りに思い、その時間と経験に感謝を抱いている。

 そんな元ジャニーズの皆に共通しているのが「選ばれし者」という誇りである。なにしろジャニーズは人気があり、その敷居も高いうえ、入所を許す権限を持っているのがジャニーさん一人という特質な狭き門であることから、希望者に対して数千から数万の倍率、つまり数千人から数万人にひとりという難関をクリアしたという意識がジャニーズには非常に高いわけだ。

 その中からデビュー(音楽や演技を含む)となれば、この倍率はさらに上がるわけで、<選ばれて×選ばれて>の繰り返しから手にできるのは、栄光とも称されるレベルの輝かしいステイタス。それはとてつもなく過酷な競争環境から得られた奇跡であることから、ジャニーズに植え付けられた「選ばれし者」という思いは時を経ても変わらないのが正直なところである。

 世間ではSMAP元メンバーらの独立騒動が賑やかである。当然のように彼らにも”ジャニーズとしての誇り”はあるし、ジャニーさんには今の自分を作ってくれた感謝や恩義はあっても恨みはない(はず)。ただし、その反面、彼らは社会人であり立派な大人なのだから、ジャニーズを去ろうが何しようが自由だ。自分の人生を選べる自由もある。優先されるべきは本人たちの気持ちであるべきだろう。

 そもそも元メンバーたちには、SMAPやジャニーズではなくなる選択肢を持っているうえ、新たなる挑戦やその意欲があるのなら、それを選んだことに誰も反対はできない。ジャニーズであり続けるのと同様に、彼らはどこにいても輝き続けられる選ばれし者に違いはないからだ。

 だがしかし、その一方では、アホなのかバカなのかは分からないが、現役ジャニーズや退所後まもないOBにはそうした立場を社会的にも優位だと勘違いした愚か者が多いのも事実だ。ジャニーズがあってこそ、その勘違いを手に入れられたにも関わらず、金に女に薬物にと手を出すなど自由を履き違えた奴らがいる。彼らが手にした価値ある環境を無駄にして欲しいとは思わないし、涙で誤魔化さないでもらいたいと強く思う。そして、ジャニーさんから選ばれた自分をもっと大切にしてもらいたいと願う今日この頃だ。

 ジャニーズを経た後、業界に残る者、表舞台に限らず裏方に回って経験を生かす者、あるいは業界から去って新しい分野に挑む者など人生は様々だが、僕ら元ジャニーズは特異な経験から個々の社会においても一生涯、何かに貢献できるはずだ。また同時に、そんな才能の塊を無数に抱えるジャニーズは社会に好影響を与え、繁栄にも寄与する存在だと思っている。ジャニーズ事務所が、いつまでも光り輝くジャニーズであるために、ジャニーさん、メリーさんにはずっと元気でいて欲しいと思っているのはマッチと東山、僕だけじゃないと信じている。”選ばれし者”たちの心からの思いのはずだ。

著者プロフィール


ジャニーズ出身の作家

平本淳也(ひらもと・じゅんや)

ジャニーズ出身の作家で実業家。著書34冊のベストセラーを誇る売れっ子の物書きとして、テレビや雑誌など多くのメディアに記事やコメント提供。実業家としてはコンサルティング会社や芸能プロダクション、レコード会社などを運営し、タレントから起業家まで幅広い活動の支援を行っている。http://vjsv.com/

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