吉田豪インタビュー企画:北条かや「コンプレックスがあるので勘違いブスがうらやましい」 (2)

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吉田豪インタビュー企画:北条かや「コンプレックスがあるので、勘違いブスみたいな人がうらやましくて」 (2)
吉田豪インタビュー企画:北条かや「コンプレックスがあるので、勘違いブスみたいな人がうらやましくて」 (2)

 プロインタビュアーの吉田豪が注目の人にガチンコ取材を挑むロングインタビュー企画。ライターの北条かやさんをゲストとしてお迎えした第2回。自伝的エッセイ『インターネットで死ぬということ』でも書かれた、北条さんの人間関係のコンプレックスなどについて語っていただきました。「勘違いブスがうらやましい」というのはどういうことなんでしょうか?

吉田豪インタビュー企画:北条かや「うまく生きていたら、こんなことにはなっていません…」(1)

■内心で優越感を抱いていた小学生時代

──社会学って客観性が必要だと思うんですけど、北条さんは主観のほうが強いと思うんですよ。

北条 強いですね。主観から社会学好きってなりましたもん。そういえば一昨日ぐらいに両親が今回の本を読んだんですよ。両親から「おもしろい」って言われてビックリして。

──いままでは自分を出さない堅い感じの本だったからピンとこなかったけど、今回はおもしろいよっていう。

北条 そうですね、両親がしおりを挟まずに読んでるのを初めて見て。「大学時代はたぶん何もつらいことがなかったんだろうね」って言われました。確かに大学から大学院の頃は勉強が楽しいだけというか。逆に「小中高時代はそんなにつらかったのね」みたいな感じで。

──あ、両親は気づいてなかったんですね。

北条 「ウチはそんなに厳しかったかねぇ」って言われたので。普通の家庭の厳しさはわからないですし、もっと厳しい親御さんもいると思いますけど、うちは子供の頃から周りに「かやちゃんちってホントに厳しくて、親はPTAだね」って言われたり、親のモノマネをされたりしてたんです。そういう経験があったので「自分の家庭は厳しいんだな」と。エピソードはもっとあるんです、ホントに嫌なぐらい。

──こじらせ始めたきっかけは学校で馴染めなかったことが大きいわけですかね。

北条 どうなんでしょうね……。こじらせてるっていうのは、ちなみに吉田豪さんの定義だとどんな感じですか?

──こじらせにもいろんな種類があって、ひと口には言いづらい部分と思うんですよ。でもたぶん、比較的正しい言い換え語は「生きづらい」なんだろうなとは思ってて。

北条 ああ、そうですね。生きづらいですね。もう死のうとは思わないですけど、落ちるところまで落ちると、やっぱり生きづらかったんだ、みたいに思うので。

──子供の頃からぼんやりと生きづらさみたいなものを抱えてきて。

北条 そうですね。今回、子供の頃の文集とか、作品の原典を結構しっかり当たったんですよ。引用にミスがあってはいけないので、実家で段ボールを開けて文集を取り出して。うちの親も親で、作文や表彰状をぜんぶ保存してたんですね。そしたら、ひとりだけ絵とかうまいんですよ。これは見下しますよね(あっさりと)。

──ダハハハハ! 最高です(笑)。

北条 自由帳ってあるじゃないですか、当時SMAPとか芸能人の似顔絵を友達と描いてて、みんなが描くのは全員一緒の顔なのに、私は安室(奈美恵)ちゃんのミニスカートのヒダまで精密に再現した絵を描いてたり。密かにそのときから、「うわ、みんなヘタだなあ」「なんでここにあるものがうまく写生できないんだろう」「ちゃんと写真を見てる?」って思ってたんですよね。みんな絵もヘタだし文章もヘタだなと思ってて。男子なんか目に入ってなかったんですよ、バカだし。

■バカな男子に学級委員選挙で負けた

──バカだし!

北条 ホントに意味がわからなくて。それで書かなかったエピソードなんですけど、すごいバカで太ってる男子と私で、学級委員長をどっちがするかっていう投票があったんですよ。私、自分のこと人望があると思ってたので、絶対に学級委員になれると思ってたら……。

──あんなバカでデブな男子には負けるわけないだろうと思ったら……。

北条 そう、そいつに負けたんですよ。すごい差で。

──ダハハハハ! 納得はしますけどね(笑)。たぶん人望はなかっただろうとは思うし。

北条 でも私、成績もいいし先生にも好かれてるし。

──絵もうまいし、文章もうまいし。

北条 そう、賞とか獲るし。自分は保健委員とかのレベルじゃないだろうと思ったんです。学級委員ぐらいになれるし、能力もあると思ってたんですけど人望が……。

──致命的にない(笑)。

北条 致命的になくて。小学生の頃のクラスでやる投票って、女子は女子に入れて、男子は男子に入れる感じだったんですけど、女子で何人か寝返ったヤツがいてダメだったんですよね。

──どうして自分に人望がないことに気づかなかったんですか?

北条 たぶん正しいことをしてると思ってるからですね。小学校のときって長い水道台があって、そこでみんな食後の歯磨きをするんですけど、96~97年って環境問題がすごくクローズアップされてた時期じゃないですか。オゾン層の破壊とか、地球の水がどんどん汚染されていくとか。それを教科書とかNHKの番組で知ったんですが、バカな男子はずっと水を出しっぱなしで歯を磨いてるんですよ。ウチはそういう無駄をやらない家庭だったので、私は水を止めて回ってたんですよ。「環境のこと考えなきゃダメだよ!」みたいな感じで。

──それは確実にウザがられますよ(笑)。

北条 当時はべつに「ウザい」って言われなかったんですよ。それでうっかり、自分は正しいことを見極めて啓蒙する力があると思って。だから学級委員にもなれるだろうって。

──やっぱり北条さんはおもしろいなあ(笑)。

北条 それで学級委員には落ちましたね。あれはすごい屈辱だったんです。

──正しいことをしすぎたせいで逆に嫌われたんじゃないかっていう自覚が、そのときに生まれた。

北条 当時はそう思ってましたね、いまはウザいことをしたから嫌われたっていうのがわかります。

──とりあえず昔から空気は読めない人だったっていうことなんですかね。

北条 それか読みすぎて、読みまくってるのがバレて嫌われるというか。読んでて媚びてるのがバレて嫌われるのかなと自分では思ってるんですけど。もうちょっと不様なエピソードいっぱいあるので、忘れないうちに書いていきたいなって思ってます。

■大学生活は幸せだったけど就職して泣いた

──北条さんの不様な話は鉄板ですよ!

北条 自分としては幼少期からの記憶をただ書いただけっていうのがあったので、途中ですごくつまらない話だと思って心配になって。編集さんに「この原稿、全然おもしろい気がしないんですけど……」みたいな相談を何度もしたんですよね。自分では、ごくごく普通の話だと思ったんです。それを出版して読んでいただいたら「おもしろい」って言われたので、驚いています。

──ボクのツボは確実にそっちなので、今日はそういう話を聞きに来ました。

北条 ありがとうございます(笑)。ホントに不様なんですよね。

──その不様さが大学に入って社会学を学んだぐらいからリカバリーできてきたわけですか?

北条 大学生の頃ってクラスがないので、ちょっとくらい不様でも排除されたりとか、女性から悪口を言われて傷つくっていうこともほぼないんですね。自分はひとつの大学しか行ってないのでほかの大学はどうかわからないですけど。

──ある程度、頭がいいとされるような大学だと、みんな同じような目的を持ってる人たちがいるからややこしいことがないって感じのことを書いてましたよね。

北条 クラスがつらかったらサークルで同じ趣味を持つ仲間とギターを弾いたりとか、ウチはピアノのサークルに入っていたので、生きづらさはそこまで感じなかったです。少なくとも対人関係に起因する悩みではなくなってくるんですよね。ダイエットとか美容とか恋人とか、そういう問題で傷ついたりはありますけど、クラスのベタベタした人間関係でみじめな思いはしなかったです。

──たぶん北条さんの人生で一番安定してたのが大学時代だったと思うんですよ。

北条 そうですそうです。大学、大学院の6年間はもう「楽しかったです」っていう感じで。

──それが就職すると、なぜ自分はこんなに失敗ばかりするのか、みたいなことになってきて。

北条 そうですね、もうちょっと失敗のエピソードを具体的に書けばよかったかなと思ってます。服がダサかったっていうのもそうですけど。お手洗いから出てきたときに服のうしろがめくれ上がってお尻が丸出しになってたんですよね。それをパートの女性たちに「かやさん! うしろうしろ!」って言われてすごい恥ずかしいまま1日を終えて、それ以来パートの女性たちの目を見て話せなくなったり、トイレで泣いてたら自動で電気が消えて、「あ、私はトイレの電気からも見放されるんだな」とか。

■会社のトイレで泣いて階段で吐いて

──失敗しすぎてトイレで泣いてたんですね。

北条 泣くと「泣いてたなあいつ」ってなるし、トイレ休憩が長いと「化粧してるんじゃないか?」って言われるんじゃないかと思って、適度に泣いて。会社員としてはホントに不適合で、摂食障害のチューイングも会社でやってたんですよ。会社の屋上につながる階段があるんですけど、そこでお昼休みに午前中のストレスを食べもので全部解消するみたいな感じで、噛んで出して。ただ、最上階からときどき会社の偉い人が降りてきて、偉い人にゲロを吐いてるとこを見られて。「何してるんですか?」って聞かれて、「ゲロ出してます」って言えないじゃないですか。

──「見りゃわかるじゃないですか、ゲロですよ」とは言えないです(笑)。

北条 変な話、チューイングって食べものを口から出すだけだから、胃酸のにおいがないので臭くないんですよ。臭くないからいいだろうという変な論理で安定してて。でも、それを見られてサッと隠したりしてたら、立入禁止の紙が貼られて、居場所を奪われたとか思っちゃって。

──ゲロもおちおち吐けなくなって。

北条 そうなんですよ。それからは公園に行ったりしてやってましたね。誰にも見られないように。

──摂食障害だとか薬とかは、もう10年ぐらい続いてるんですか?

北条 治まるときもあればひどくなることもあって、いまは落ち着いてます。寛解です。摂食障害にもいろんな病態がありますよね、過食嘔吐にいく人もいれば、拒食でまったく食べないとか下剤乱用とかいろんなパターンがあるんですけど、過食嘔吐以外は全部やったなと思います。

──全部やった!

北条 嘔吐だけはどうしてもできないんですよ、体質なのかわからないんですけど。だから友人が過食嘔吐をやってると知って、なんかいいなと思ってて。

──いいなと思ってた(笑)。

【ここから北条さんのナチュナルな空気の読めなさで家族とも大変なトラブルになった話になって、すごい北条さんらしいエピソードだったんですけど、これ以上関係をややこしくしてもアレなので大幅に削除】

──北条さんはそういうところがおもしろいんですけどね(笑)。

北条 ホントに困りました……。

■“都落ち”でコンプレックスを抱えた

──とことん人間関係を作るのがヘタな人なんだと思いますよ。

北条 そうですね。薬つけても治らないっていうか、薬は飲みすぎた反省があるので、もう頼らないと決めてるんですよ。

──本人は無意識だけど、それがいろんな人の怒りのスイッチを入れやすいのは間違いないと思うんですよね。

北条 ……そうですか?

──でも、本人はなんで怒られているのか気づいてないっていう。

北条 私、Raphaelってバンドの華月が好きで、華月は「人の悪口を言っちゃダメだ」ってタイプの人だったので、今も悪口は言わないんです。

──ヴィジュアル系にハマッてた時期があるんですよね。

北条 そうです。その華月の教えをずっといままで守ってるわけですよ。だから人の悪口は言わないんですけど、悪口と取られる状況もあるんだなっていうのがこの1年でよくわかりました。

──無意識の発言が多いんでしょうね。

北条 無意識の発言も悪口になることがあるんだな、難しいなというか……。

──その無意識さに興味があるんですよ。あと、コンプレックスは相当多い人ですよね。

北条 多いですね。まず子供の頃に「都落ち」したのがコンプレックスになってるというエピソードは、両親から見ると驚きだったみたいで。

──石川県の都心部から田舎のほうに。

北条 東京の方だと、東京に住んでたのが栃木あたりに引っ越したみたいなイメージですかね。

──でも、同じ県内なんですよね。

北条 そうですそうです。県内でも、子供ひとりでは行けない距離の田舎に引っ越してしまったのがショックだったんです。そこからコンプレックスが生まれて。

──同じ県のなかで引っ越しただけなのに、なんでそんなに田舎Disしてるんだって思いがあるんですけどね。「え? そもそも同じ県でしょ?」っていう。

北条 豪さんはずっと東京ですか?

──東京ですけど都心のほうではないです。

北条 東京の方ってそういうのはないんですか? 「うわ、こんなエリアに引っ越してきちゃったよ」みたいなことは。

──世田谷の人が江戸川の人を見下すとかはあるでしょうけどね。

北条 世田谷の人が転勤で江戸川区に引っ越すとかになって、そこに小学生くらいの子がいたらコンプレックスになるんですかね。

──その空気はなんとなくわかるんですけど、石川県のなかでの出来事だとまったく伝わらないんですよ。

北条 そうか……石川県の人に読んでほしいですね、わかってくれると思います! 金沢以外はホントに田んぼなので。毛虫が多いのがホントに嫌で、もうダメでした。

■本気で勘違いブスな人がうらやましい

──それ以外にもコンプレックスは相当あるわけですよね。

北条 顔とかですかね。顔、身体は全部コンプレックスなので、勘違いブスみたいな人を見るとうらやましくて。

──それ、ナチュラルに悪口ですよ!

北条 え? 違いますよ!

──本人は一切気づいてないでしょうけどね。「私はうらやましいって言ってるじゃないですか!」って(笑)。

北条 たとえば自分とまったく同じ容姿の人がいて、その人が10代から合コンとかいっぱいして遊んでたら妬んでしまうと思うんですよ。その容姿でチヤホヤされる場所に自分から行けるんだっていう、その自意識がうらやましくて。すごい太ってるのに露出してたりとか。

──勘違いブスが(笑)。

北条 勘違いデブですね。

──口悪いですよ!

北条 太ってらっしゃる方が、雑誌なんかに載ってる人の3倍ぐらいの体形の方がエビちゃん(蛯原友里)と同じ格好してるみたいな、そういうのを見ると……これは摂食障害になってからですけど、自分はこんなに痩せようと毎日頑張って、1日500キロカロリーしか食べずに運動しているのに、たくさん食べて太っても罪悪感がない人たちが、うらやましいなと思うんですよ。

──1日500キロカロリー!?

北条 今じゃないんですけど、結婚から離婚直後まではそういう時期もあって。ダイエットはいろいろ試行錯誤してたんですけど、とにかく「こっちは頑張って痩せようとしてるのに、なんでああいう人たちは太ってても病まないんだろう」みたいな怨念です。痩せてすごく病んでいた時期は、39キロから41キロになっただけでも自我が崩壊するぐらい苦しいんです。「ああ、デブになっちゃった、もう人生終わりだ……」って絶望の淵にいる感じなんですけど、なんである種の人たちは60キロぐらいあるのに悩まないんだろうって思うんですよ。八つ当たりです。

──そういうことで悩まず普通に恋愛してたりしてるほうが絶対幸せなはずなんですよ。

北条 そうですよね。

──基本、自信の問題だと思うんですよね。自信があるとかわいく見えたりするし。

北条 それはあると思います。

──YAWARAちゃん(谷亮子)に初めて遭遇したときにも驚いたんですよ。

北条 美人オーラが出てるんですか?

──そうです。たぶん自分がかわいくないなんて微塵も疑ってないから、「ほら、私、かわいいでしょ?」ってオーラが出てるんですよ。自信が全部放出されてるから、カメラマンも「本物はすごいかわいかったですね!」とか言ってて。

北条 えぇーっ?

──本人は自分が世間でいろいろ言われてる自覚ゼロだから、そうなってたと思うんですよ。柔道以外でもすごい強さでした(笑)。

北条 それって彼女の実績があるからではなく?

──柔道の実績もあるし、実際にモテてきたっていう実績もあると思うんですよ。

北条 モテてきた?

──柔道の世界では、ちっちゃくてかわいらしいって感じだったからモテてたみたいだし、それで「私はかわいいんだ」っていう自信を持って。

北条 たしかにかわいいですよね、「YAWARAちゃん」っていうニックネームも、「愛ちゃん」とか「タマちゃん」みたいな。私もずっと自信がないことはなかったんですが。容姿にひどいコンプレックスがあるとしたら身体だけで、顔はお化粧すればなんとかなりますし。

■結婚生活の失敗で自尊心がなくなってしまった

──どうこう言ってもモテてはきてますもんね。本を読む限り、彼氏が切れてはいない感じだし。

北条 いないときも結構あるんですが、ひとりひとりが長いというか。カッとなってケンカ別れみたいなことがないので、長続きするんだと思います。本を読み返したら彼氏が10人ぐらいいたような人に見えますけど、実際は高1から結婚までに3人しかいないし、モテるっていう意識はなかったんですよ。自分は異性からチヤホヤされてないって思っていたので、YAWARAちゃんの自意識とは正反対というか。

──その結果、どっち側にも入れないタイプになったと思うんですよ。モテないグループの輪にも入れないし、モテてる側にも入れないという。

北条 入れないです。たとえば女性のエッセイストの方で雨宮まみさんは、自分の恋愛のコンプレックスとか恋愛で失敗なさった経験を、すごく濃くおもしろく描写するのがお上手ですよね。自分はそこがおもしろおかしく書けないんです。ありきたりな恋愛しかしていないから。不様なエピソードを優先して書こうとなると、恋愛の話は抜け落ちちゃって。自分にとってあんまり重要じゃなかったんだと思います。

──書くに値するような出来事があったのは結婚生活ぐらいなんですかね。

北条 そうですね、結婚生活に失敗したことで、それまで60ぐらいあった自尊心がマイナス5千万ぐらいまで落ちたんで。今も自分に自信はありません。一昨日ぐらいに実家の母から電話があって、向こうの弁護士がまたなんか言ってきてるって言われて。定期的にあるんですよ。ブログ系を全部見てるのか、2ちゃんねるとかも送ってくる。

──かなりいろいろチェックしてるわけですね。

北条 本の打ち合わせで「元夫が訴えてくるかもしれない」と言ったら、DVのことを削るよう言われたんですよね。それは仕方ないとして、本以外でも全く書かないとだんだん生きづらくなってくるし、フラッシュバック的なものもあって結構キツいんですよ。離婚の時に、元夫が一言でも謝罪してくれたら私は色々と受け入れられたと思うんですが、相手は「結婚生活のことは一切公言するな」とかいろんな条件を受け入れないと離婚してくれなかったので、暴力はなかったことになって。親族も「DVの証明は難しいから、すぐに離婚したいなら今は相手の言うことを聞いておけ」と。そうやって見て見ぬ振りをした親族もいたというのが、ものすごくきつかったです。

──誰も味方がいないぐらいの心境になりそうですね……。

北条 何度も助けは求めてたんですけど、結婚は忍耐だよみたいな。ここ半年ほど、そういう結婚生活のことをちょこっとずつブログに書くようにしたら、アメブロってホントに優しい空間で。読者の方が「北条さんのブログを見て、私もこういう経験があるのでこれを文章に書く」みたいなことを言ってくださると、癒されるっていったら変ですけど……。

<次回に続く>

プロフィール

著述家

北条かや

北条かや(ほうじょうかや):1986年、石川県出身。同志社大学社会学部卒業、京都大学大学院文学部研究科修士課程修了。自らのキャバクラ勤務経験をもとにした初著書『キャバ嬢の社会学』(星海社新書)で注目される。以後、執筆活動からTOKYO MX『モーニングCROSS』などのメディア出演まで、幅広く活躍。著書は『整形した女は幸せになっているのか』(星海社新書)、『本当は結婚したくないのだ症候群』(青春出版社)、『こじらせ女子の日常』(宝島社)。現在、美容整形に関するサイト『NICOLY:)[ニコリー]』(https://nicoly.jp)のアンバサダーも務めている。

プロフィール

プロインタビュアー

吉田豪

吉田豪(よしだごう):1970年、東京都出身。プロ書評家、プロインタビュアー、ライター。徹底した事前調査をもとにしたインタビューに定評があり、『男気万字固め』、『人間コク宝』シリーズなどインタビュー集を多数手がけ、コラム集『聞き出す力』『続 聞き出す力』も話題に。新刊『吉田豪の“最狂”全女伝説 女子プロレスラー・インタビュー集』が6月30日に発売。

(取材・文/吉田豪)

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