【SMAP分裂】ジャニーズOBによるコメント言及と再結成の可能性|平本淳也のジャニーズ社会学

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Photo by Pixabay(写真はイメージです)
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 SMAPの独立騒動の余波で元ジャニーズ……つまりジャニーズを卒業したOBの面々でよくコメント提供で登場するのが布川敏和と諸星和巳だ。このふたりはメディアに登場してはコメントを発信することが頻繁で、まさにSMAP特需を享受している。彼らの活躍でシブがき隊や光GENJIあたりのグループ名もまだまだ活用できることを証明したが、諸星はともかく布川が元ジャニーズだったということや、郷ひろみさんや川崎麻世さんら多くがジャニーズ出身者ということに世間が驚いている様子が新鮮だ。

 ただ元ジャニーズらが後輩たちを語る場面はかなり希少であり、表立っては余り例がない。現役なら先輩後輩の話題もネタのひとつになるが、卒業したOBとなると、そう簡単には語れない空気がある。ライブ公演やイベントのステージ上でのサービスとしてはそれもありだが、メディアに取り上げられるかたちだと口を噤むのが慣例だ。

 ジャニーズに遠慮しているのケースもあれば、在籍時の不仲における確執などでいちいち思い出したくもない名前や環境もあるわけで、ジャニーズOBはジャニーズを語らないのがこれまでの慣習だったが、SMAPについては事の大きさによってすべてが異例のケースとなった。ジャニーズOBが「残念です」などと語っていたが、正直どうでも良いというのが本音だ。

 ジャニーズOBとして、ジャニーズをネタに言いたい放題&やりたい放題とお咎めなしなのは僕だけの特権かもしれないが、今回のSMAP騒動においては、現役の後輩らが次々と意見を発信していたことについても過去に例がない。それもテレビの生放送や記者からの問いにも直接応える姿勢はジャニーズではありえなかったということだ。

 たとえば田原俊彦さんの独立時に近藤真彦さんがコメントを出すというケースはまずありえない。メディアがそれを欲しがるのは理解できるが、発したとしてもジャニーズ側は「用意しておいたコメント」を出す程度かまたは全く無視である。トシちゃんもまた「マッチとの関係」をよく聞かれているが基本的に「仲良し(仲が良かった)」という思い込みで尋ねる質問に嫌気もあるので答えたくもないのが本音だ。

 同じ事務所だったり同じグループやユニットだからといって仲が良いということはない。園児や小学生じゃないんだから仲良しとか不仲とかどうでも良いだろう。彼らにとっては「仕事」である。芸能人・アイドルとしてもビジネスの立場であり、仲良しごっこをしているわけではなく、また印象に関わる重要な形態として仲良しは演出するも、実際に「=仲良し」はない。

 しかし、だからといって俗に言われてる「不仲」ということでもない。一般世間に置き換えれば理解できるだろう。同じ会社や部署やチームだからといって仲良しか?友達?親友?というのは違うだろう。ジャニーズだって他の事務所のグループやバンドだってどこでも同じだ。仲良しでやっていることではなく「仕事」なのだからそういった関係性を問われると正直、メンドクサイという感じである。

 もちろん仲は良いとか好きとかそれはあるし、逆に嫌いだけど仕事だから仕方ない的な問題もあるでしょう。一般世間の会社や職場の環境と大きく変わらないでしょう。中居と木村にしても相手をどう思うとか仲良しだとか不仲とか、このうえなきどうでも良い問いにあるでしょう。

 ただ仲が悪く、相手をキライ過ぎてグループの存続が出来なくなるという例は今回のSMAPにしても光GENJIにしても、またチェッカーズや最近話題のラルクアンシエルなどバンドにしてもよくある話だが、人間だから長くやっていると色々あるのは当然の話。晩年離婚も多いわけで長い分だけそれは色々あるというものだ。

 逆に離れてから分かる良い面や時間が経つと忘れられる憎悪も少なからずあるわけで、再会や再結成もまた頻繁だが、これも「仕事」の面で望むに仕方のない例とも言える。一人じゃ限界、食っていけない、あの頃の栄光や拍手喝采を浴びたいとか思えば過去に戻るしかない。

 当時、ジャニーズ史上最高の栄光にあった光GENJIの面々は良い例だろう。ジャニーズを去った後の個々活動は冷ややかなものだが彼らほど再結成を望まれるグループは他にはBOOWYくらいだろう。過去に戻りたいのはファンも同じで誰にも「あの頃」を再び感じたいと願うし、特に食うに厳しい芸能界ではその「話題性」こそニュースになるのでタレントとしては極上に美味しく手に取りたい甘い実なのだ。

 SMAPなら20年経っても再結成となれば日本中が沸くはずだ。それを楽しみにしているファンも少なくないが、実は「いつかは」という思いはメンバーにもあるのだが、何度も言うように「仕事」として可能ならということが大前提で、趣味ではないので個々の気分ではどうにもならないし、またジャニーズの場合は「許可」が必要ということも知らないといけない。

 例えば光GENJIやSMAPなど、この名称は今でもジャニーズのものである。名付け親であるジャニーさんはもとより、法的にもジャニーズ事務所に権利のある商標であり、この名称を使って芸能や音楽の活動は出来ない。過去に再結成したフォーリーブスやザ・グッバイにしても同様で「ジャニーズ事務所」の許可がないと再結成も活動も出来なかった。ただジャニーさんがOK出すと製作やスポンサーなども紹介してくれたりと結構な親切な面もある。

 ただ光GENJIの再結成は今のところ難しい。光GENJIにはいくつかのユニットが存在する。光とGENJI、SUPER 5、SAY・S、AKIRA&KOHJIなどだが、それぞれに現役ジャニーズと元ジャニーズがメンバーとなっている。言い換えれば「再結成できないよう」にしてあるとも言える。

 リーダーだった内海と逮捕された赤坂、まだギリギリ仕事があるアツヒロの3人をジャニーズがキープしていれば出ていった他のメンバーで勝手に再結成は出来ない仕組みになっている。これについてはジャニーさん、上手いなと昔から思っていた。

 要するに芸能界という仕事の現場では、そういう自由は利かないし勝手な行動も許されないのは理解できることと思うが、ファンあってのビジネスであるならばその需要に供給できる立場を活用していくべきとも考えるところ、将来的にSMAPの再結成はあるのかどうかはジュリー次第になるでしょう。

 この1年、メリー&ジュリーはSMAPファンのみならず一般からも責め立てられて日本を代表する嫌われ者となってしまったが、苦労の原因となったSMAPと攻撃されたSMAPファンのために何かしてくれるとはなかなか難しいのではないだろうか。もっとも本人たちがやる気がなかったら話にもならないが……。

 一方、再結成ではなく「再会」を果たしたのがKinKi Kidsと元ジュニアの小原くんがこのところ話題だ。ダンスリーダーで恋人にしたい・美形などの人気投票ではトップ常連の小原裕貴が出演した20年前のドラマの続編に同役で帰ってくるというニュースがファンの歓喜となった。

 元ジュニアが話題となったのは「40歳を超えてもジュニア」の佐野瑞樹くらいで、久しぶりのジュニアニュースになったが、当時まだジュニアだった滝沢秀明と天下を二分するほどの人気でジャニーズ・ジュニアのブランド価値を大きく高めた立役者でもあるところ、学業への専念と一般企業への就職を志すという理由からジャニーズも芸能界も引退した。

 あれほど人気があった小原くん、スッパリ、キッパリと去った姿勢には感動さえするが、それを追わないジャニーさんもまた素晴らしいところ、元ジュニアがジャニーズ絡みの番組に出演するということの快諾もまたこれまでには例がなく斬新であることに、大きく変わろうとしているジャニーズ事務所を垣間見ている。

 トシちゃんが「現役ジャニーズとの共演」を切望して「SMAP×SMAPに出たい!」と声を大にしていたが、そこはなかなか叶わないところで、東山や本木雅弘さんが薬丸裕英さんの番組にゲスト出演したりというケースはあるものの基本的に共演という形式がないのがジャニーズ流だったが、変化に伴うこの先で中居の番組に赤西やトシちゃんの出演だってありえるだろうし、可能性を見るならジャニーズがジャニーズを活用するのは想像に難しくない。

 しかし僕が望む伝説の「たのきん」には再会も再結成もないだろう。元々グループではないし、トシちゃんも断るだろうし、マッチや野村義男さんもまず断るだろう。ここ数年の間でそれぞれお会いさせて頂きましたが、いつまでもスーパースターであることに違いはなく、先日お会いした川崎麻世さんもやはりビッグスターの輝きがあるわけで、現代のSMAPファンからしたら5人ないし6人のメンバーが揃うことを夢見るのはよくわかるこのごろだ。

著者プロフィール


ジャニーズ出身の作家

平本淳也(ひらもと・じゅんや)

ジャニーズ出身の作家で実業家。著書34冊のベストセラーを誇る売れっ子の物書きとして、テレビや雑誌など多くのメディアに記事やコメント提供。実業家としてはコンサルティング会社や芸能プロダクション、レコード会社などを運営し、タレントから起業家まで幅広い活動の支援を行っている。http://vjsv.com/

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