民進党・蓮舫代表”二重国籍”で戸籍出す出さない攻防を見る側の心情|やまもといちろうコラム (2/3ページ)

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■二重国籍騒動は政治家ゆえの有名税?

 蓮舫女史について言えば、そもそもが議員になったり、ましてや野党第一党の党首・代表にまで上り詰めるとは政治家になる前は思ってもいなかったと思います。本人も努力しただろうし、周囲も蓮舫女史に期待はしたと思うんですが、それまでは単なるタレントであり、グラビアを仕事にしている芸能人として、政治に転出するという、いわゆる「タレント候補」でした。そういうタレント候補として担ぎ出される前から、芸能界においては名前が「蓮舫」として一目瞭然の国際性を前面に出して他の凡百のタレントと蓮舫女史は違うのであるという「ウリ」「営業」をしていたわけですから、その場その場で多少経歴的な言い方に矛盾やつじつまの合わないことがあっても許容されてきたところはあると思います。

 芸能人は売り方が適当だというより、有名になるとやっぱり変なアホが出自や経歴を詮索して付け回したり、実家に無断で訪れたり、場合によっては殴られたり拉致されたりという危険もあるわけで、なるだけプライベートのことははっきりとは言わなかったり、どうとでも取れる内容にしたり、都合よくその場で書き換えたりすることはあるわけですよ。訳の分からない人に知られるのが芸能人、著名人の仕事の一部である以上、訳の分からない人からの訳の分からない行動から身を守らなければなりません。芸能事務所がルーツや経歴について敢えて本当のことを書かなかったり、本人もその場に良いように言ったりすることはあるでしょう。

 ただ、政治の世界はそういうものは通用しません。有権者のみならずメディアから詮索されて当然の仕事であり、プライベートは一定の制限をされます。芸能界時代のつじつまの合わないことはいざ知らず、自分のルーツについて発言が右往左往してしまえば政治家として「信頼できない」と言われたり、攻撃材料になることはあるでしょう。

 なもんで、本当なら戸籍なんか別に出す必要はないし、難癖をつけてくる訳の分からない人たちの要求には本来は「大きなお世話である」と無視を決め込むのが一番の対応策であるはずが、議員であり民進党の代表であるならばルーツも経歴も潔白であるべきと「一定の割合」の人が言うようであれば、本来なら出すはずもない戸籍も公表せざるを得なくなるのか、と思うわけです。これはもう、言われた側の考え方の問題ですから、公表して批判を黙らせたいと考えるのであれば、本来は人権問題としても公表の必要のない思料でも出してしまえということなのかもしれません。

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