民進党・蓮舫代表”二重国籍”で戸籍出す出さない攻防を見る側の心情|やまもといちろうコラム (3/3ページ)

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■有権者として少し残念な気分にも

 自民党の小野田紀美女史(34)の日米二重国籍問題や、カナダやオーストラリアなどでも多数の二重国籍議員がいるという国際比較の問題や、生まれ落ちた場所についてその本人が国籍の如何まで責任を負うべきものなのか、実際には「二重国籍でしたすみません分かってから適切に対処しましたのでもう問題ありません」で済ませるべきものが、政治家としての進退にまで発展するのもどうなのかなと思ったりもします。

 蓮舫女史がバッシングされる問題については、私自身はパーソナリティが党代表のような取りまとめ役に向いてないんじゃないかとすら思う別の事情があるように感じます。やはり、野党時代であれ旧民主党政権であれ、切っ先の鋭い批判を相手に突きつける舌鋒は、ある種の潔癖さを相手に批判として突きつける傍ら、じゃあお前はどうなのかという返し技を常に受ける立場に置かれることをも意味します。民間人と議員の違いは、民間人は都合の悪いことは回答する必要もなく蹴っ飛ばしておけば良いわけですけど、議員の場合は都合の悪いことを回答できないことは不誠実ととられかねません。

 また、蓮舫女史については政治的なポジションや鋭い批判をする論客という公的なイメージや役割もさることながら、自宅訪問などのメディア露出でぞんざいに扱われるご主人、目やにだらけで元気のない飼い猫など、公党代表という立場だけでなく私人としても人格が破綻してしまっているのではないかと思われかねないエピソードに事欠かないのが問題です。野田佳彦元首相が党幹事長としてバックアップをしていたとしても、人としてまずそうだと思われかねない露出の仕方には疑問があります。一口に「性格のキツい女性が立場を失っていびられている」という意味では戸籍を出す出さないで人権・差別問題が云々という以上の何かが見え隠れしているようにも感じられ、有権者として、また東京都民として少し残念な気分になるのであります。

 本来ならば、党代表として、信認を失いつつある安倍政権の受け皿として政権構想や次世代の政治状況をリードするべき立場にいるはずの蓮舫女史が、状況悪化でむしろ身動きが取れなくなり、支持団体である連合からもスルーされてしまっている状況には忸怩たるところがあると思います。そういう一連の話も総じて「蓮舫女史には政治家としての器量がなかった」と断じるのは簡単ですけど、もうちょっとどうにかならないものですかね。

著者プロフィール

やまもといちろうのジャーナル放談

ブロガー/個人投資家

やまもといちろう

慶應義塾大学卒業。会社経営の傍ら、作家、ブロガーとしても活躍。著書に『ネット右翼の矛盾 憂国が招く「亡国」』(宝島社新書)など多数

公式サイト/やまもといちろうBLOG(ブログ)

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