顧問税理士が複数いても、税務調査の事前通知は全ての顧問に通知させるべき (1/2ページ)

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顧問税理士が複数いても、税務調査の事前通知は全ての顧問に通知させるべき

国税が税務調査を行う場合には、原則として税務調査に先立って、納税者に税務調査で必要になる書類などについて連絡を行う必要があるとされています。この連絡を事前通知と言いますが、納税者があらかじめ国税に対し、納税者ではなく税理士に事前通知をする旨届け出ていれば、国税は納税者ではなく、その届け出た税理士に連絡を行う必要があるとされています。
一般の納税者が国税の話を聞いてもよく分かりませんし、税理士の方が税務調査になれていますから、当然この届出をして、税理士に事前通知をさせるべきと言われています。

■複数税理士の場合の取扱い

ところで、会社によっては、一人ではなく複数の税理士を顧問にしている場合があります。いわゆる二階建てと呼ばれるもので、決算申告を委託する税理士に加え、署長経験者など税務署に顔が利く税理士を税務調査対策のための税理士として顧問させるような場合を言います。上場企業など、規模が大きな会社は税務調査で国税からネチネチやられることがありますので、敢えて署長経験者などの税理士も顧問させる、といった対応を行う場合があります。

このような場合、上記の事前通知については、原則としてその複数の税理士に国税が連絡する必要がある、とされています。しかし、同じ連絡を複数の税理士に行うのは手間がかかりますから、複数の税理士の内代表する税理士を定め、その代表する税理士に連絡すれば足りる旨を納税者が届け出れば、その税理士だけに連絡が行くようになっています。

■あくまでも納税者の協力が前提

このような複数の税理士が居る場合の取扱いは、調査官にとって複数回の事前通知が大きな手間になるために設けられているものです。つまり、納税者には関係ない話ですから、税務調査を円滑に進めて欲しい会社は別にして、そうでない場合には協力する必要はありません。

税務調査を円滑に進めるよう協力しても、昨今の調査官は仕事が非常に遅いため、早く終わることは基本的にはありません。このため、円滑に進めてもらうことにメリットは全くないと言えます。

となれば、代表する税理士を届け出ることなどナンセンスであり、原則の通りそれぞれの税理士に事前通知をしてもらった方がいいでしょう。

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